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メディアの競合はメディアなのか、橋渡し役の必要性、メディアインキュベート 浜崎正己社長・・・メディア業界2020年の展望(13)

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浜崎 正己
浜崎 正己
メディアの立ち上げと運用を支援する(株)メディアインキュベート の代表。1988年千葉県生まれ。Twitter : https://twitter.com/masaki_hamasaki

早いものでもう年の瀬。皆様にとって2019年はどのような一年だったでしょうか? 2019年1月にオープンしたMedia Innovationも最初の一年を終えようとしています。これまで10回の特集企画、13回のイベントを開催し、多くのメディア業界のキーパーソンを取材してきました。12月特集は「メディア業界2020年の展望」という事でこれまで登場いただいた皆様にメッセージをいただきました。

Media Innovationの運営メンバーで、メディアの事業創造を支援する株式会社メディアインキュベート・浜崎正己社長からコメントさせていただきます。「Media Innovation Academy」担当として、18社登壇オフレコセッションベンチャーピッチメディアの戦略立案ワークショップなど、実施してきました。

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2019年はメディア業界、またご担当のメディアにとってどのような年だったでしょうか

普段は、オールドメディアのデジタル化や新規事業の創造をお手伝いしています。その立場から申しますと、”デジタル化”や”新しいこと”を実施すること自体は当然であり、それだけでは間に合わないのを痛感する一年でした。

私自身、大学でもメディアを学び、ずっとメディア業界に入りたいと思い、現在の仕事をしています。デジタルメディアを中心に仕事をしてきましたが、ずっと言われていることではありますが、雑誌の落ち込みを顕著に感じました。つい先日にはセブン&アイ出版の清算も報じられました。

11月末まで社外取締役をしていたRRデジタルメディアでも、雑誌の買取をして、新しい形を模索してきました。ソトコトでオンラインサロンを考案し、提携のアテンドを行いました。これも雑誌をブランドと捉えて、違う事業に展開する必要性を感じたからです。12月5日には、ソトコトの隔月化を発表しました。これは前向きな事案であると思いますが、新しい形を作っていく過程なのだと思います。

また、オールドメディアと新しいメディアの融合が更に進んだような印象でした。どんどんと垣根がなくなり、近くなっていくのを感じます。Media Innovation運営のイード社によるアニメ誌の買収もその一つです。

オールドメディアと一口に言っても、大小、様々な規模で存在します。また、雑誌、新聞、ラジオ、テレビでも異なります。しかし、総じて感じるのは、時間軸や危機感の違いです。進んでいるところは大きく進み、進みの遅いところでは一気に進行勢から捲られてしまうのではないか、と思うことがあります。

そんな中でも、強い思いを持ち、現状を正確に認識し、未来へ道筋を作り、必死に変えていこうとしている方も多くいます。前述した進みの遅いところでも、なんとかしたい、どうにかして前に進めようともがいている方が必ずいます。

しかし、インセンティブに働きかけて猛追してくる新しい勢力が、圧倒的な速度で押し寄せてきており、それを抑えきることができるのか。分水領に立たされているような気分になることも多い一年でした。その中でメディア同士の横の繋がりも作りたいし、それだけではなくベンチャーとの協業も増えて欲しい、メディアにマーケティングや戦略の概念も持ち込みたい、と思い、「Media Innovation Academy」を行ってきました。

これからのメディアに求められること、直面する課題はどういったことでしょうか

私が論じる立場にないかもしれませんが、これからのメディアは、メディアであることにこだわらないことが必要かもしれません。対処療法的ですが、メディアであることにこだわりすぎることで、枠を狭めてしまっているのでは、と思うことがあるからです。

オールドメディアの方々に触れて、コンテンツへのこだわり、クオリティの高さには、いつも勉強させていただいています。その姿や姿勢を変えるのではなくて、仕組みとして成り立つ方法や、経営的な面で支援する方法がないのか。それをより探っていけないかと思っています。

EC、プログラマティック広告、動画、インフルエンサー、エージェンシー化・制作会社化、コミュニティ、求人などの取り組みは当然として、その上で何ができるのか。そこにファイナンスの概念を取り入れるとどんな形があり得るのか。ブロックチェーンや、AIなどのテクノロジーを掛け合わせることも大事です。

ただ、テクノロジーばかりの導入に目がいくのも違う。そのバランスをどう取るのか。メディアにもプロ経営者と言われるような方々が、より入ってくるのではと感じています。

もっとメディア業界にスタートアップ的な人たちが入ってこれないのか。オープンイノベーションや、出資という形だけでなく、協業やJVだったり、共創の活動が生まれてこないか。既に多く事例もあると思いますが、今までとは違った、更なるコラボレーションなどが求められるように思います。

直面する課題としては、既に直面しているかもしれませんが、広告と販売収入の限界です。既存企業がオウンドメディアを立ち上げ、個人がメディア力を持つ流れはより強まるばかりです。メディア的であることで収入を得られてきたものが、少なくなってきているのではないでしょうか。

しかし、逆説的ではあるのですが、全てがメディア化される時代の中で、メディア的なものを作れる価値は高まっており、メディアにとってはいい時代とも言えます。ただ既存のフォーマットにこだわり、本質的なメディアの価値から目を背け続けると、苦しい未来が待っているのではないでしょうか。

2020年に取り組みたいと考えていることはどういったことでしょうか

自身が一番関心のあるのは、メディアにファイナンスや、協業の概念をより持ち込むことです。既に行われている中で、そこに中心的なプレイヤーとして存在したいと思っています。メディア業界の再編も起きることでしょう。その時にメディアのことを理解し、メディア側の立場で寄り添い、メディアのために何ができるか。それを考え続けられる存在は、貴重なのではと考えています。

色々と仰る方もいますが、全てがメディア化する中で、メディアは斜陽ではなく、むしろ成長産業です。よりメディア的なものが重宝される時代です。少しずつメディアの形は変わりますが、今までのメディア企業の方々が培ってきたものは、必ず活きる道があります。それを見つけ出したいですし、形にして、一つ一つ世の中に出していきたいと思っています。

そのためにも、メディアの垣根を超えて、産業の垣根を超えて、共に事業を作る機会創出を増やしていきたいです。それがイベントかもしれないし、カンファレンスかもしれないし、ワークショップかもしれないし、サービスかもしれない。様々な形で提供していきたいと思っています。エコシステムを形成して、人・物・金を提供していきたいです。そのためには、教育事業にもより力を入れていく必要があるかもしれません。

個人的な話では、7月のD2C特集にも登場いただきましたが、元インスタグラム事業代表責任者、元日本ロレアルCDOの長瀬次英 氏が社長で、私が副社長で会社を設立しました。こちらでも様々なプロジェクトを進めており、メディアと掛け合わせた事業創造を行っています。D2Cや、コミュニティ発のプロダクトがどんどん出てきます。

長瀬氏は「ブランドとは何か」を徹底的に教えてくれます。私自身、メディアはコミュニティであり、ブランドだと考えています。メディアの新しい形、メディアのアップデートを果たすためにも、ブランドの立ち上げと構築をやりきりたいと思っています。それがメディアへの貢献にもなると信じて。

読者の方にメッセージがあればお願いします。

メディアと聞いて思い浮かべるものはなんでしょうか。人によって定義が異なるかもしれません。その定義自体の話をしたいわけではありません。ただ、メディア自体が広い概念であることは、共通認識を持っていたいです。

メディア産業に携わる方々がどんな思いでいるのか。もっとお話を聞いてみたいです。これまでに、夕刊紙、スポーツ紙、ラジオのプラットフォーム、雑誌、ポータルサイト、コミュニティ型CGM、WEBメディアなどの運営に携わってきました。運営に携わるNPOの関係で通信・放送について考える機会もあります。

このNPOの理事で、株式会社ブロードバンドタワー 代表取締役会長兼社長CEOの藤原 洋先生の言葉が印象的です。鉄鋼業界を例にして教えてくださいました。

「メディアの競合はメディアなのか。」

鉄鋼業界が新規事業を生み出していた時に、どこを見ていたのか。鉄鋼業界の競合だったとのことです。藤原 洋先生に、例えや意味が違うと怒られてしまうかもしれませんが、お話を聞いた時にハッとさせられました。

それから私は、デジタルシフトの本質と、メディアの競合はどこなのかを考えるようになりました。それをご一緒に考えていけたら嬉しいですし、橋渡しをさせていただきたいです。毎年勝負の年ですが、2020年は飛躍の年にしたいと思っています。ぜひ皆様と一緒に飛躍できたら幸いです。

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