Google.com(米国)で最も閲覧されているウェブサイト上位100位のうち、およそ50%が、8月にアップデートが完了したCore Web VitalsのGOOD要件を満たしていないことが、デジタルマーケティングに関する分析会社 Searchmetricsの発表したデータで明らかになりました。
Core Web Vitalsとは
グーグルが提案するCore Web Vital(CWV)は、Webサイトが高いユーザーエクスペリエンスを提供しているかを表す指標であり、Google検索における検索順位を決める指標として利用されるものです。
CWVは、LCP(表示速度)、FID(操作応答性)、CLS(視覚安定性)の3つから構成されています。LCPはページ上の最も大きい画像やテキストブロックが表示されるまでの時間で表され、2.5秒未満がGOOD、4.0秒以上がPOORという判定基準となっています。FIDはユーザーがページ上で入力を行えるまでの遅延時間で判定され、100ms未満がGOOD、300ms以上がPOORという基準になっています。CLSはページの描画中にコンテンツの視覚的なズレがどの程度起きているかで判定され、そのスコアが0.1未満でGOOD、0.25以上でPOORと判定されます。
改善が進むも、半数がGOOD要件満たさず
Searchmetricsによると、上位100サイトのうち、CWVの3要件を満たすドメインの割合は、2020年1月時点ではデスクトップで22%、モバイルで28%でした。今回発表されたデータでは、デスクトップで50%、モバイルで56%と増加していることがわかります。
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しかし、10月時点でCWVの要件を満たすことができていないウェブサイトには、Walmart、Tripadvisor、Facebook、Instagram、Pinterestなどが含まれており、主要ブランドや主要ソーシャルメディアであってもユーザーエクスペリエンスに課題を抱えているようです。
要件別の成績
LCP(表示速度)に注目すると、10月時点の上位100位の平均時間はデスクトップで2.43秒、モバイルで2.48秒で、GOOD要件である2.5秒をわずかに下回っています。しかし、デスクトップで36%、モバイルで33%がGOOD要件を満たしていません。
CLS(視覚安定性)では、平均スコアはGOOD要件の0.1をわずかに上回る0.11で、デスクトップとモバイルの両方で24%がGOOD要件クリアできていませんでした。
FID(操作応答性)については、ほとんどのサイトで要件をクリアしていたものの、これは正確な測定が困難なためであり、有意義な分析とはなっていないとSearchmetricsは説明しています。
ジャンル別の成績
上位100位のサイトをジャンルで分け、その成績を比較すると、「ファッション」や「旅行」分野のサイトは成績が低くなっていることがわかります。Searchmetricsは、これらのウェブサイトが一般的に多くの画像を使用しており、広告バナーなどの動的な要素を頻繁に使用していることが要因であると指摘しています。

一方、B2Bのウェブサイトはコンテンツ配信、ユーザーエクスペリエンス、パフォーマンスのバランスが取れていると分析。また、ソーシャルメディアはアプリに重点を置いており、ウェブブラウザからアクセスした際にパフォーマンスが落ちてしまう、として