米国のポッドキャスト広告収益額が前年から72%増加し、10億ドルを突破・・・デジタル広告全体の2倍の成長率

IABは自身が毎年行っている「インターネット広告収益レポート」の結果から、米国における2021年のポッドキャスト広告収益額が前年から72%もの大幅な成長を記録し、初めて10億ドルを突破したことを発表しました。これはデジタル広告全体の収益成長率である35%の2倍以上で…

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米国のポッドキャスト広告収益額が前年から72%増加し、10億ドルを突破・・・デジタル広告全体の2倍の成長率
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IABは自身が毎年行っている「インターネット広告収益レポート」の結果から、米国における2021年のポッドキャスト広告収益額が前年から72%もの大幅な成長を記録し、初めて10億ドルを突破したことを発表しました。これはデジタル広告全体の収益成長率である35%の2倍以上であり、デジタルメディアにおいて最も早く成長しているチャネルであるとも言われています。この成長をけん引した要因について、多様な業界における広告主からの支出増加、ダイナミック広告挿入(DAI)の浸透を挙げています。

2006年以来の成長を遂げた米国デジタル広告業界

オンライン広告の業界団体であるIABが1996年以来毎年行っているレポートによれば、2021年の米国におけるデジタル広告収益が1,890億ドルで500億ドルの増加(35%)となり、2006年以来の大幅な増加率となったようです。業界全体として大きく成長した中でもデジタルビデオ、デジタルオーディオ、ソーシャルメディア、検索の分野が顕著な伸びを示しており、デジタルオーディオは前年比57.9%増で最も高い成長率と伝えられています。

ポッドキャスト広告は最も成長したチャネル

最も成長したデジタルオーディオ広告の中でもポッドキャスト広告は特に高い成長を示しており、収益額は72%増で初の10億ドルを超えた14億ドルとなりました。これは前述のデジタル広告全体の2倍以上の成長率となっています。同レポートでは2022年には20億ドルを超え、2024年までにその3倍にまで成長するであろうとも予測されています。

大きく伸びた広告収益において広告出稿業界の内訳を見ていくと、2019年には8%しかなかった「その他」分類が、2位、3位の金融サービスやリテール製品などを差し置いて2021年には28%で最も高い割合になっています。「その他」には例えばアドボカシー、政府系、エネルギーなどが含まれており、今までの業界の枠にとらわれない業界の台頭が収益をけん引していることがわかります。

さらに2021年の大きな変化として、広告出稿の需要増に伴い、再生前位置での広告が急増していることも報告されています。具体的には従来22%程度であった再生前位置(Pre-roll)の広告が2021年には10%も増加して32%となっています。

爆発的成長の要因とは

IABはこの爆発的な成長にはいくつかの要因があると述べています。1つは前述したこれまで「その他」に分類されてきた業界が広告主として台頭してきたことですが、もう1つ大きな要因にダイナミック広告挿入(DAI)の浸透が挙げられています。

レポートによれば広告の提供方法について2019年では、番組中に広告を埋め込むEdited-In/Baked-In形式が52%を占めていましたが、2021年には16%まで減少しています。これは、2019年には48%だったDAIのシェアが大幅に高まり、84%まで上がったためです。ポッドキャストの番組内容を編集せず自由な位置に広告を挿入できるDAIは、広範囲なオーディエンスへ柔軟なターゲティングを行うことができ需要が大きく上昇しています。今後もブランドセーフなツールやデータドリブンなターゲティングと合わせて、ポッドキャストの広告業界をけん引していくであろうと述べられています。

《Yuichi Tateishi》

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