スタートアップ投資資金は潤沢だが、投資先は厳選、EXITは今は難しい・・・米VC協会調べ2022年の投資環境

PitchBookと全米ベンチャーキャピタル協会が公表した、2022年の資金調達状況レポートによれば、市況の悪化がスタートアップの資金調達や株式公開に大きな影響を与えていて、この流れは2023年も続いていきそうです。 それによれば、ベンチャーキャピタルからスタートアッ…

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PitchBookと全米ベンチャーキャピタル協会が公表した、2022年の資金調達状況レポートによれば、市況の悪化がスタートアップの資金調達や株式公開に大きな影響を与えていて、この流れは2023年も続いていきそうです。

それによれば、ベンチャーキャピタルからスタートアップへの投資は非常に活発だった2021年から、2022年の第3四半期には変調をきたし、急速に金額が減少しました。投資金額、投資件数ともに2022年は4四半期連続での減少でした。

エンジェルラウンド、シードラウンドなど早い段階での調達は比較的堅調で、年間で7261件の投資が行われ、金額では210億ドル(約2.7兆円)。一方で、1件あたりの規模や、バリエーション(投資時の時価総額)は大きく伸びたということで、投資家がよりスタートアップ段階での投資に目を向けていること、優良な投資先への集中が進んでいる事が伺えます。逆に既に一定の成長をしたレイターステージのスタートアップの調達は苦戦が伝えられます。

これを象徴するのがエグジット(株式公開やM&Aによる投資家の売却)の急速な落ち込みです。2022年の総額は714億ドル(約9.3兆円)で、これは2016年以降最低でした。第4四半期にはベンチャーキャピタルが支援していた先の上場は僅か14件で、投資回収の機会が萎んでいるのが分かります。これが上場間近のレイターステージの調達を難しくしています。

一方で、ベンチャーキャピタルの組成は拡大を続けています。2022年は件数自体は769件と、2020年・2021年を下回りましたが、調達金額は1626億ドル(約21兆円)と過去最大を更新。こちらも選別は進んでいて、ベイエリアやニューヨークの経験豊富な大型ファンドへの資金集中が進んだということです。

《Manabu Tsuchimoto》

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デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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