IVSで考えた「メディアの新しいモデルを考える」方法【Media Innovation Weekly】7/3号

おはようございます。Media Innovationの土本です。今週の「Media Innovation Newsletter」をお届けします。 メディアの未来を一緒に考えるMedia Innovation Guildの会員向けのニュースレター「Media Innovation Newsletter」 では毎週、ここでしか読めないメディア業界…

特集 ニュースレター
IVSで考えた「メディアの新しいモデルを考える」方法【Media Innovation Weekly】7/3号
  • IVSで考えた「メディアの新しいモデルを考える」方法【Media Innovation Weekly】7/3号
  • IVSで考えた「メディアの新しいモデルを考える」方法【Media Innovation Weekly】7/3号
  • IVSで考えた「メディアの新しいモデルを考える」方法【Media Innovation Weekly】7/3号
  • IVSで考えた「メディアの新しいモデルを考える」方法【Media Innovation Weekly】7/3号
  • IVSで考えた「メディアの新しいモデルを考える」方法【Media Innovation Weekly】7/3号

おはようございます。Media Innovationの土本です。今週の「Media Innovation Newsletter」をお届けします。

メディアの未来を一緒に考えるMedia Innovation Guildの会員向けのニュースレター「Media Innovation Newsletter」 では毎週、ここでしか読めないメディア業界の注目トピックスの解説や、人気記事を紹介していきます。ウェブでの閲覧やバックナンバーはこちらから

会員限定のコミュニティ「イノベーターズギルド」を開設しました。Discordにて運営しています、こちらからご参加ください

★アプリも提供中です →AppStore/Google Play

今週のテーマ解説 IVSで考えた「メディアの新しいモデルを考える」方法

6月28日~30日に開催されたIVS2023 KYOTO / IVS CRYPTO 2023 KYOTOに参加してきました。元々はスタートアップの幹部向けのカンファレンスで数百名規模で開催されていましたが、今回はなんと1万人を集客。京都府や市の後押しもあり、フェーズを一段上げようという意図が見られました(といっても筆者は初参加なのですが)。

こういったカンファレンスは主に2つの目的があります。1つは様々なステージやセッションを通じて新しい世界を知るということ。もう1つはイベントやパーティを通じたネットワーキングやビジネスマッチングです。IVSの会場はその2つを意図的に混ぜていて、広い会場の中に、セッションが行われるステージが点在していて、周囲には企業ブースや、ネットワーキングができるカフェやバーがランダムに配置されています。至る所に溜まり場があり、目的を持って歩いていても、次々に知り合いに出会い、足を止めて話し込む、そんな感じです。

会場の様子。ステージとブースが入り乱れている

IVSで取り上げられるテーマは様々ですが、特に勢いがあると感じたのは、Web3(クリプト、ブロックチェーン)と、やはりAIです。筆者は個人的なテーマとしてWeb3を追っているので、取材対象としても見ていましたし、これらを活用して世界に飛び出していこうとするスタートアップを眺めながら、メディア事業に応用できるネタはないかどうかウォッチしていました

そういう意味でIVSが良いのはローンチパッドというプログラムです。日本語にすれば「打ち上げ台」。優れたアイデアを持ったスタートアップを表彰して勢いを付けようという企画です。ここで表彰されると、界隈での注目度がグンと上がり、飛躍していったスタートアップが多数あります。また、ハッカソン(数日間で企画から開発まで行って内容を競う)も生成系AI、あるいはブロックチェーン✕AI、といったテーマで発表がありました。これらは一気に沢山の事例を知れるのがお得です(?)

ローンチパッド、ハッカソン、ピッチなど事業プレゼンも多数

空気感が知れるのもリアルイベントの良いところです。会場は2~3割は外国人ではないかという勢いで、多国籍化していて、セッションも半数は英語です(日本人同士でも英語というセッションが多い)。これはグローバルに通用するスタートアップを育てていこうという主催者の意図を感じます。

オープニングでは岸田首相からのビデオメッセージもあり、「ベンチャー投資を現在の10倍の年間10兆円規模に引き上げていくことを目指す」というコメントもありました。経済産業省の担当者も「国内を活性化するだけでなく、世界の投資マネーを日本のスタートアップに引き込んでいく事が重要」という話をしていました。ますます活性化するスタートアップの取り組みを既存プレイヤーも参考にするべきでしょう。

ゲーム特化のブロックチェーン「Oasys」は国宝の二条城を貸し切ってイベントを開催。こんなことが可能なのか・・・Web3の勢いを感じます

来場しているメディアの幹部はそこまで多くなく、自分の観測範囲では取材にきているメディアも限られていそうでした。でも、スタートアップのカンファレンスに1万人が京都に集まるという熱気は、放っておくには勿体ない気がいたしました。せっかくメディアという取材ができる立場にあるので、こういう世界を取材すると同時に、自分の仕事を変革するのに生かしていけばいいのではないかと感じました。

コロナも明けて、様々なものがリアルに戻ってきました。せっかくなので、重い腰を上げて、外の世界に出てみると、一人では思いもよらなかった発見があるはずです。メディアは色々な意味で厳しい状況にありますが、脱するためのヒントはメディア業界の中ではなく、外の世界にあるのではないか? そんな気がした3日間でした。

今週の人気記事から 東洋経済が四季報AIをローンチ

東洋経済新報社とロゼッタが、ChatGPTを活用した対話型形式の新サービス「四季報AI」を共同開発すると発表しました。7月にはβ版が公開され、8月末まで無料で利用できるとのこと。四季報の紙面では掲載しきれなかった情報をチャット形式で提供するとのこと。メディアの情報提供のいち形態として、どんなサービスになるのか興味深いですね。続きを読む

1.東洋経済新報社、ChatGPTを活用した「四季報AI」をローンチ

2.ニールセンが「ソーシャルメディア」利用状況発表 月間利用者数最多は「LINE」

3.三菱総合研究所、ChatGPT技術の安全・迅速な導入を支援する「ララサポ」の提供を開始

4.TBS ホールディングスがやる気スイッチグループホールディングスを連結子会社化

5.博報堂DYHDがクラスターと資本業務提携へ VRプラットフォームの共同研究

6.メルカリはどんな用途で生成系AIを使っているか? SEOや出品サポート

7.20代の7割が仕事での「ChatGPT」利用を希望 「Re就活」アンケート調査

8.DNP、「DNP AI審査サービス(校正・回覧業務)」に文法チェックや多言語対応の機能を新たに追加

9.GMOアドマーケティング、エレベーター広告の認知度調査サービス提供を開始

10.「興味持たないプレスリリースとは?」 リンクアンドパートナーズがメディア関係者に調査

会員限定記事から メディアジーンと台湾TNLの経営統合、今田CEOに聞く

メディアジーンが台湾のTNLと経営統合し、さらにSPAC上場を行うというニュースは衝撃的でした。メディア企業だけでなく、日本企業全体で見ても稀有なチャレンジに突き進む、メディアジーンの今田CEOにインタビューしました。
続きを読む

1.メディアジーンが台湾のTNLと経営統合しナスダック上場へ、今田CEOに聞くメディアのこれから

2.ナショナル・ジオグラフィック誌、スタッフ・ライターを全員解雇

3.分散化、分断化が進むデジタルメディアへの関心・関与の行方・・・ロイター・デジタルニュースレポート2023(3)

4.「AIや自動化できるタスクを担う同僚とは袂を分かつ」ドイツのビルド紙がAIを本格導入【Media Innovation Weekly】6/26号

5.Vice Media、フォートレスが率いる投資家グループが3.5億ドルで買収へ

6.【メディア企業徹底考察 #114】占いメディアのザッパラスは大リストラの推進で収益力は回復するか

7.生成AIを活用する際に広告主への事前通知が必要64%…ネット広告代理店の生成AI活用に関する調査

8.ニューヨーク・タイムズ、ポッドキャストアプリに参入・・・オーディオの世界での一面を目指す

9.全収益の80%をライセンス費から得ているAP通信、広告費増を狙いウェブサイトのリニューアル

10.デジタルメディア史上最長、13日間のストライキが終了「Insider」は新戦略も発表

編集部からひとこと

週の後半は京都でIVS、週末はお祭りで御輿を担ぎました。体全体が痛くてまずいです。暑さに負けないように今週も頑張っていきましょう!(もう今年も後半戦です)

《Manabu Tsuchimoto》

関連タグ

Manabu Tsuchimoto

Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

特集