【メディア業界2024年の展望】良質な中華映画を日本市場に紹介、面白映画・安陽常務

2023年は面白映画の映画配給事業を本気に進めた一年となり、全国配給した映画は4本で、うちアニメ映画3本と実写映画1本でした。

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Media Innovationでは毎年恒例の年末年始企画として、メディア業界の様々な方に、2023年の振り返りと、2024年の展望について寄稿いただきました。良いことあり、辛いことあり、という一年間の後に、どんな飛躍が待っているか、皆さんからのメッセージを順次公開していきますので、お楽しみに。

安 陽氏
面白映画株式会社 常務取締役
2013年 外交学院大学院を卒業。同年、中国の日系コンサルティング会社であるクララオンラインに入社し、中国での日系企業の投資や事業展開をサポート。2016年6月 新浪動漫に入社。新浪動漫の日本支社であるWeiboComic株式会社の設立に携わり、日本支社全体の管理と事業展開を担う。2018年10月、シマラヤに加入。シマラヤジャパン株式会社のCEOに就任し、シマラヤの海外版Himalayaの日本エリア全体の運営を行う。2019年、面白映画を起業。面白映画の日本市場開拓業務を担当し、中国の映画コンテンツを初め、中国コンテンツ全般が日本市場での展開に手を掛けている

2023年、どのような仕事やプロジェクトに取り組まれましたか?

2023年は面白映画の映画配給事業を本気に進めた一年となり、全国配給した映画は4本で、うちアニメ映画3本と実写映画1本でした。

5月には、弊社パートナーかつ株主であるGAGAさんと「ライオン少年」を共同配給し、花江夏樹さん、桜田ひよりさん、山口勝平さん、山寺宏一さんなどの豪華の声優陣を起用した上に、のんちゃんがテーマ曲「この日々よ歌になれ」をコラボしていただきました。映画が全国120館以上に上映され、業界の注目を集めました。

6月には、弊社パートナーかつ株主であるLive viewing Japanさんと「兵馬俑の城」を共同配給し、福山潤さんや寿美菜子さんや星野貴紀さんなどを出演していただき、テーマ曲がLiyuuさんが歌って頂きました。

7月には、「マスターオブスキル」を全国配給し、中村悠一さん、内田雄馬さん、能登麻美子さん、杉田智和さんなどの声優陣を起用した上に、声優初デビューとして、にじさんじのバーチャルアイドルである甲斐田晴&シェリン・バーガンディも出演していただきました。テーマ曲がアニソン女王であるMay'nとコラボしました。

上記アニメ映画以外に、2023年興収No.1の台湾映画「僕が幽霊と家族になった件」の日本配給を担当し、Netflixと同時公開の状況の下で、予想以上の興収を獲得いたしました。映画配給事業を順調に展開するとともに、キャラクター許諾事業も新規開拓いたしまして、日本発中国で爆売りしたキャラクター「おやさい妖精さん」の日本許諾窓口を担当し、アミューズメント施設やガチャガチャやカフェコラボなどを幅広く許諾しました。

また、面白映画公式ストアで、「羅小黒戦記」や「ライオン少年」などの映画関連グッズを販売した上に、「原神」や「崩壊3rd」などのグッズ販売代理権利を獲得し、ゲーム関連グッズの販売事業も順調に展開しました。2023年は弊社にとって重要な1年であり、映画配給業だけを専念した弊社は、配給会社から徐々と中華系コンテンツを中心とするコンテンツフォルダー会社に転身いたしました。

2023年、メディア業界や個人的な視点で最も注目した出来事は何でしたか?

去年から今年に渡って、一番注目すべき出来事と引き続きトレンドになるのは、間違いなく生成AIの普及となります。2023年に、生成AIが急速に普及しはじめ、一般人でもバリアなく簡単にAIを利用できることとなり、メディア業界やコンテンツに業界に新な挑戦となりつつあります。

今生成AIがテキストや画像だけでなく、3Dモデルや実写動画まで簡単に生成できます。弊社の事業から考えると、今後AIをうまく利用して、映画やアニメの脚本が簡単に生成でき、脚本家の効率を向上するだけでなく、脚本の中に新たなストーリー展開や、新たなクリエイティビティを実現することができます。

アニメ制作には、機械学習により、簡単にキャラクター作成や背景作成やVFX効果を実現できます。配給現場に来ると、ビッグデータのAI分析により、より精度の高いキャスティングや配給案の立ち上げやSNS連動効果で配給プロセスの調整などもできます。今後、一コンテンツ会社として、いかにAIと共存することは、大きな課題の一つになりつつある。

2024年の抱負や目標をお聞かせください。

2024年も引き続き良質な中華映画を日本市場に紹介したいと思います。アニメ映画だけでなく、実写映画やドキュメンタリーも挑戦したいと思います。また、2024年は、中国市場に進出したいパートナー会社を支えながら、日本コンテンツの中国市場展開に力を入れたいと思います。

2023年の中国映画市場規模はすでにコロナ前の規模まで復活し、2024年は引き続き伸びていきます。また、Tiktok(DOUYIN)で流行っているミニドラマの市場規模が爆発的に増え始め、中国市場だけでなく、アメリカや東南アジアまで浸透していっていますので、日本市場にもミニドラマの風が吹いてくる可能性もありますので、その方向性も注目していきたいと思います。今年も、面白映画株式会社のことを、どうぞよろしくお願いいたします。

《system》

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