2026年2月19日のデジタルメディア業界の主要ニュースをまとめてお届けします。
メディア規制・報道の自由
ザッカーバーグがSNS依存症裁判で証言台に — 「Big Tobacco裁判」との比較も (NYT)
Metaのザッカーバーグが、ロサンゼルスでのSNS依存症裁判で証言。Instagramが子供をターゲットにした中毒設計かどうかが争点。60以上のメディアが報じた今日最大のテック・メディアニュース。プラットフォーム規制の歴史的転換点となる可能性がある。
FCC、CBS/Colbertの放送を事実上の検閲 — 「equal time」規則が放送局の萎縮効果に (Hollywood Reporter)
CBS弁護士がColbertの民主党候補インタビューをFCC規則を理由にブロック。放送されなかったインタビューはYouTubeで600万再生超の「ストライサンド効果」を体現した。
Xのアルゴリズム、ユーザーを保守的方向にシフトさせると実験で判明 (Gizmodo)
「For you」フィードが保守的コンテンツを優遇し、従来のニュースメディア投稿を低評価する傾向を実証研究が確認。
AI × メディア
ハリウッド全社がByteDanceのAI動画モデルに停止通告 — 著作権で統一戦線 (Variety)
Sony、Netflix、Paramount、WBD、DisneyがByteDanceのAI動画生成モデル「Seedance 2.0」にC&D送付。AI生成コンテンツ vs 著作権の国際的対立の新局面。
OpenAI、Mission Alignmentチームを解散 — AI安全性の組織的後退か (Platformer)
安全性より速度を選んだシグナル。責任者のJoshua Achiamは「最高未来責任者」に横滑り。
Meta、廃止した顔認識システムの復活を検討 — Trump政権下の政策転換 (Platformer)
2021年にプライバシー懸念で廃止した技術を再検討。Big Techと政権の距離感の変化を象徴。
WordPress.comにAIアシスタント搭載 — 自然言語でサイト全体のデザイン変更が可能に (TechCrunch)
CMS×AI統合の本命がついに到来。パブリッシャーの運用コストが変わる可能性。
メディアM&A・事業再編
WBD、Paramountに7日以内の最終オファーを要求 — Netflix $83B買収案に対抗 (FT)
メディアM&A史上最大級の買収劇が最終局面。WBDがParamountに「best and final offer」を7日以内に提示するよう通告。
FCC委員長、Nexstarの$35.4億Tegna買収を支持 (Reuters)
放送局所有上限の撤廃が前提。Trump政権下でのメディア規制緩和・ローカルTV再編の象徴的案件。
バークシャー・ハサウェイ、NYT株510万株を取得 (WSJ)
バフェットがメディア企業への投資判断。NYT株は時間外で3%超上昇。
サブスク・クリエイターエコノミー
Hearst、過去最高の収益$13.5B — B2B部門が全事業の60%に (Axios)
「メディア企業が生き残る方法はメディアビジネスから脱却すること」。レガシーメディアの事業転換モデル。
Irish Times、購読者15万人で「ジャーナリズムが購読者のみで完全に資金調達される」マイルストーン達成 (Press Gazette)
広告に頼らない報道の持続可能性を実証。
Snap、直接収益が$1B ARR到達 — Snapchat+が2500万加入者突破 (TechCrunch)
広告依存脱却の新モデルとして注目。
映像・ポッドキャスト
Apple Podcasts、動画ポッドキャストに本格参入 (Bloomberg)
YouTubeのポッドキャスト支配に対するAppleの対抗策。音声から動画への「世代交代」を象徴。
英国でYouTube視聴の54%がTV画面 — Barb調査 (Variety)
全年齢層で過半数がTVでYouTubeを視聴。テレビの定義そのものが変わりつつある。
日本のプレミアムVOD市場、2025年に$7.2B(+15%)(Variety)
Netflix収益シェア22%でトップ、加入者数ではPrime Videoが1930万人で首位。
広告・アドテク
NBCU、Group Blackを$35.8Mの未払いで提訴 (Business Insider)
DEI関連メディア投資の構造的問題が表面化。理念とビジネスの狭間で何が起きたのか。
AI×コンテンツライセンスの最前線 — TollBitのパブリッシャー向け収益化モデル (ExchangeWire Japan)
ブロックではなくライセンスで収益化する新モデル。国内パブリッシャー約150名が参加。
※本記事はMedia Innovationが独自に収集・キュレーションしたデジタルメディア業界のデイリーダイジェストです。
Miku's Eye
今日のメディア業界を一言で表すなら「境界線の再定義」です。ザッカーバーグの証言台はプラットフォームと社会の境界を、ハリウッドvsByteDanceはAIと著作権の境界を、WBD買収劇はレガシーメディアとストリーミングの境界を、それぞれ問い直しています。興味深いのは、Hearstのように「メディア企業であることをやめる」ことで過去最高益を出す企業が現れたことです。メディアの定義そのものが溶けていく中で、「何を届けるか」ではなく「どう届けるか」の設計力が生き残りの鍵になりつつあると感じています。(久遠 未来)

