株式会社U-NEXT HOLDINGSは2026年10月14日、2026年8月期の連結決算を発表しました。売上高は469,957百万円で前期比20.4%増となり、8期連続で過去最高を更新しました。一方、営業利益は30,255百万円で前期比4.2%減、経常利益は28,169百万円で同8.8%減、親会社株主に帰属する当期純利益は14,959百万円で同18.7%減となり、増収減益の決算となりました(決算短信)。
月額固定料金サービスなど継続的な収入を示すリカーリング売上高は前期比23%成長し、連結売上高に占める割合は83%に達しました。同社は動画配信などのコンテンツ配信事業に加え、店舗・施設ソリューション、通信・エネルギー、金融・不動産・グローバルの4事業を展開する多角的な事業ポートフォリオを強みとしており、BtoB事業とBtoC事業を通じて構築した業務店や医療機関、ホテル、中小オフィス、個人という多種多様な顧客基盤を最大の資産と位置付けています(決算説明資料)。

セグメント別の明暗
4事業のうち、コンテンツ配信、店舗・施設ソリューション、金融・不動産・グローバルの3事業は営業利益が過去最高を更新しました。コンテンツ配信事業はU-NEXTの課金ユーザー数が前年比9.2%増(45万人増)の伸びを示し、営業利益も期首予想を上回る11,276百万円を確保しています。

店舗・施設ソリューション事業は自動精算機の入替特需に加え、期中にカラオケ事業を手がける株式会社エクシングを新規連結したことで売上高が同114%と大きく伸び、営業利益も16,849百万円と期首予想を上回りました。金融・不動産・グローバル事業も主力商材の契約件数が前年比11.0%増(4万件増)となり、営業利益は予想比154%の2,156百万円に達しています。

一方で通信・エネルギー事業は、中東情勢の緊迫化を主因とする電源調達コストの高騰により、営業利益が前期比28%減、期首予想に対しても62%の進捗にとどまりました。同事業は自社光回線・電力の契約件数が前年比25.3%増(13万件増)と顧客基盤は拡大したものの、一時的な事業環境の悪化が収益を圧迫した形です。同社は決算説明資料でこの問題を主要因とした一時的な事業環境の悪化と位置付けており、改善に向けたリカバリープランを進める方針を示しています。

一過性要因を補正したプロフォーマ営業利益ベースでは前期比20%の成長を確保しており、店舗・施設ソリューション事業の自動精算機入替特需やエネルギー事業のコスト高騰といった特殊要因を除けば、本業の収益力は拡大基調にあるとみられます。
投融資の拡大と成長戦略
EBITDAは46,071百万円で前期比5.9%増となったものの、EBITDAからCAPEXを差し引いた指標はマイナス2,333百万円となり、期首予想の21,500百万円を大きく下回りました。同社はこの差について、エクシングの子会社化を含む216億円規模の成長投融資を実行したことが主要因と説明しています。カラオケ事業ののれん償却や減価償却の増加も、純利益段階での減益要因の一つとなりました。
経営方針としては、BtoB事業において顧客の経営課題を総合的に解決・支援するため市場ニーズに合致したサービスをワンストップで強化していくこと、BtoC事業ではコンテンツラインアップやバンドルサービスの拡充、サービス品質の向上を通じてより多くのユーザーに価値ある体験を届けていくことを重要な経営テーマに掲げています。
また、持続的な成長を支える経営資源として「人財」を重視する姿勢を示し、採用競争力の強化と従業員エンゲージメント向上を目的に若手社員の報酬水準引き上げを実施したことも明らかにしています。
2027年8月期の見通し
2027年8月期の連結業績予想は、売上高524,000百万円(前期比11.5%増)、営業利益32,500百万円(同7.4%増)、経常利益30,700百万円(同9.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益16,500百万円(同10.3%増)としています。EBITDAは53,100百万円(同15.3%増)を見込んでおり、通信・エネルギー事業の収益改善を含めた事業ポートフォリオ全体での成長を描いています。年間配当金は1株当たり19.00円を予定しており、前期の17.00円から増配となる計画です。






