本記事はThe Conversationに掲載された、スコットランドのEdinburgh Napier Universityで情報政策学を専門とするAlistair Duff教授による記事「Coronavirus: the first big test of the information age and what it could mean forprivacy」をCreative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、掲載するものです。

ハーバードの社会学者であった故・ダニエルベル氏は、「情報社会」の到来をずっと以前から予測していました。ベルは政府の政策や製造業や主なコミュニケーションツールになったコンピューターから生まれたサービスに関して、科学の専門家が主導的な立場になることを予見していました。彼は古典『脱工業社会の到来』(1973)で次のように書いています。「頼りになるものは筋力やエネルギーではなく、情報である」。彼が穏やかに楽観していた新しい社会は、2020年には実現するでしょう。
コロナウイルスの危機により、ベルやその他多くの情報社会に関する思想家が予見していた傾向が顕在化してきています。私たち人類は現在「情報社会の命題」という試練に初めて直面しているのです。現在私たちは皆オンラインで活動しています。また、アマゾンやテスコ、そして人気のテイクアウトは営業中ですが、ほとんどの工場や産業プラントは停止しています。授業や採点といった必要不可欠なサービスはオンラインに移行し保護されている状態です。会議も「バーチャル」なものになりました。現在科学者たちはPCを介した撮影を要求しているといった状態です。