本記事はThe Conversationに掲載された、イギリスのCardiff Metropolitan Universityでデータサイエンスを専門とするMohamed Mostafa上級講師とコンピューティングと情報システムを専門とするChaminda Hewage准教授とSimon Thorne上級講師による記事「Trump is building a social media platform – but keeping it online will be achallenge」をCreative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、掲載するものです。

2021年初め、ソーシャルメディアから追放されたドナルド・トランプ氏は、自身のソーシャルメディアプラットフォームを作成することで、Twitterのアカウント停止から逃れ、再びソーシャルメディア上に現れるかもしれません。このニュースを発表したトランプ氏の側近であるジェイソン・ミラー氏は、このプラットフォームは「2~3ヶ月」で完成するだろうと述べています。
この発表は野心的に聞こえるかもしれませんが、実はソーシャルメディアのプラットフォームを構築することは、比較的簡単です。2004年には、初歩的な形のFacebookがわずか2週間ほどで開発されました。それ以来、ソフトウェア開発やクラウドコンピューティングの進歩により、ソーシャルメディアプラットフォームを短期間で作り出すことがはるかに容易になりました。
しかし仮に、この新しいプラットフォームをリリースしたとしても、オンライン上で維持し続けることは難しいでしょう。トランプ大統領の支持者が好む「言論の自由」を謳うようなソーシャルメディアは避けなければなりません。そのようなプラットフォームのひとつである「Parler」は、1月6日に起きた国会議事堂での暴動に関連したコンテンツを掲載したとして告発され、アプリストアから削除され、その後オフラインに追い込まれました。
また、このプラットフォームは、トランプ氏政権に反対するハッカーや 「トロール」の標的になる可能性があり、彼らはトランプ氏のプラットフォームを停止させたり、乱したりする方法を模索するでしょう。トランプ氏の新しいソーシャルメディアプラットフォームは、2~3ヵ月後にリリースされるかもしれませんが、それをオンラインで維持し、混乱を起こさないようにすることが一番の課題となるでしょう。
目次