「極端なトラフィック減少に対応する」米ビジネス・インサイダーが大規模なリストラ

・米ビジネス・インサイダーが21%の人員削減を発表し再編を実施
・AI活用とライブイベント事業にシフトし、収益モデルを転換
・労働組合からはジャーナリズムへの影響を懸念する批判が寄せられる

メディア デジタルメディア
レイオフされた従業員 ※AIで生成された画像

デジタルメディア業界で注目を集めてきた米ビジネス・インサイダー(Business Insider)が大規模な組織再編に踏み切りました。同社は従業員の約21%にあたる人員削減を発表し、トラフィック依存型ビジネスからの脱却とAI活用の全面展開を打ち出しています。一方で、労働組合は「ジャーナリズムから利益追求への露骨な転換」と激しく批判しており、業界全体が抱える構造的課題が浮き彫りになっています。

この動きは単なるコスト削減ではありません。CEOのバーバラ・ペン氏が示す戦略転換は、従来のページビュー依存型モデルから抜本的に脱却し、AIを活用した効率化とライブイベント事業への転換を柱とする、メディア企業の新たなビジネスモデル構築への挑戦といえるでしょう。しかし、その代償として失われるものと、果たして持続可能な収益構造を構築できるのかという根本的な疑問が残されています。

トラフィック依存からの脱却を迫られる現実


《Manabu Tsuchimoto》
Manabu Tsuchimoto

Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの事業統括やM&Aなど。メディアについて語りたい方、相談事など気軽にメッセージください。