米ノースウェスタン大学メディル・ローカルニュース・イニシアチブが発表した「State of Local News 2026」報告書で、米国のローカルテレビニュースの所有構造が極めて高い水準で集中していることが明らかになりました。
同報告書は今回初めて商業テレビのニュースルームを体系的に調査し、全米に678のローカルテレビニュースルームが存在すると算出しています。上位5社だけでニュースルーム全体の過半数を支配し、上位10社では75%に達するという結果です(メディル・ローカルニュース・イニシアチブ)。
ローカルTVの寡占とNexstar・Tegna合併の行方
比較対象として、新聞業界では上位10社の保有比率は全体の4分の1未満、日刊紙に限っても3分の2程度にとどまっており、テレビの集中度の高さが際立っています。
背景には1990年代以降のNexstar、Sinclair、Grayなど大手グループによる買収ラッシュがあり、NexstarはMedia Generalを2017年に46億ドルで、Tribune Mediaを2019年に72億ドルで取得するなど、巨額の統合が続いてきました。
現在焦点となっているのが、Nexstarによる62億ドル規模のTegna買収計画です。2025年8月に発表され、2026年3月に連邦通信委員会(FCC)が承認しましたが、翌4月に連邦判事が差し止めを命じ、8月には裁判所がNexstarに命令違反があったとして同社社員をTegna取締役会から外すよう指示するなど、法廷闘争が続いています。
それでもNexstarの公式サイトはすでにTegnaを傘下企業として扱っており、買収が完了すればTegna傘下の48のニュースルームのうち33はNexstarの既存拠点と重複する市場にあり、統合対象になる可能性が高いと報告書は指摘しています。
合併以外でも、インディアナポリスのWRTVがScrippsから売却されてCircle City Broadcastingの運営に統合されたほか、Grayが1億7100万ドルでAllen Media Groupの複数局を買収するなど、少なくとも10のニュースルームが今年中に姿を消したといいます。

