メディアのブランディングを意識した取り組みや、サブスクリプションへ挑戦する企業も増えてきた昨今、女性メディアをリードし、常に新しい挑戦をしてきた「4MEEE」と「4yuuu!」。
新しい試みとして10月より、「4MEEE」「4yuuu!」で活躍している3人のインフルエンサーのオンラインサロンをオープンする株式会社・代表取締役社長の坂梨亜里咲 氏に、これまでに挑戦してきた取り組みと、雑誌を出した背景、オンラインサロンに挑戦する理由、「メディアとブランドのかたち」についてお話を伺いました。
先日も記事化したインタースペースのグループ会社であるストアフロントが提供する、サブスクリプションプラットフォーム「SubscLamp(サブスクランプ)」を活用してスタートしたとのこと。
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―――これまでの経歴を教えてください
2012年に大学を卒業してから、ECサイトの運営会社で働いていました。その後、新卒2年目のタイミングで、大学時代の友人に誘われ、4人で4MEEEを立ち上げました。最初はディレクターをやっていましたが、4MEEEを離れてフリーランスで活動していた時期もあります。再度4MEEEにCOOとして戻ることになり、その後間も無くして親会社がインタースペースに変わるタイミングで、社長に就任しました。
29歳で社長というと華やかなイメージでみられることが多いんですが、まさか自分が社長になるだなんて思ってもみなくて。私の中では会社員から始まり、フリーランス、COOと目の前のことに全力を尽くしてきた結果、子会社社長というキャリアになっていただけなんです。このままいくとどうなるんだろう?そのうち創業社長になっていたりするんですかね(笑)
―――社長になり、以前と変わったことはありますか
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4MEEEをスタートしてしばらくは、ディレクターとし記事案作成や編集、記事広告の企画・撮影・執筆を担当。COOの時は、主に自主企画記事のディレクションや新規事業(イベントや雑誌事業)に注力していました。
前社長を間近で見てきて、資金の調達・運用、色んな人に会って今後の方向性を模索するっていうのが「社長業」のイメージとしてありました。しかし、前社長の頃とは状況が異なっていて。4MEEE、4yuuu!というメディアブランドが構築され、親会社もあり資金にも恵まれている状況の中、小娘の私が社長としてやるべきこと、できることってあるんだろうかと最初は戸惑ったし、今だから話しますけど不安もありました。
ある程度の基盤ができているサイト価値や、アドネットワークやタイアップ広告などの収益部分は、適任者が頑張ってくれたらできること。私の社長としての役割は、経営戦略はもちろんですが、4MEEE、4yuuu!のブランド価値を高め、いかにユーザーとコミュニケーションを取っていくか、そこを考えることなのではないかと。
私、社長になるまでは4MEEE、4yuuu!を「WEBメディア」と括ってしまっていたんですが、自分が何をすべきか考えた時にそうじゃないと気づいたんです。4MEEE、4yuuu!は「ブランド」であり、その最初のアウトプットがたまたまWEBメディアだっただけなんだな、と。インタビューで、今後の目標や展望は?と聞かれては「10年続くメディア、会社にする」と言っているのですが、それはブランド価値を高めていくには前提として継続することに意味があると思っているからなんです。
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コラボドレスや婚姻届、ナイトブラなど、企業との商品づくりを積極的に行なっています。いづれも売れ行き好調なので、時代の流れを読みながら、4MEEEというブランドを生かしたD2Cもやっていけたらいいなと思っています。
―――WEBメディアだけでなく雑誌も刊行していますが、雑誌を作った背景と反響はどのようなものだったんでしょうか?
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雑誌を作った背景は、信頼を強化するためで、全般にWEBメディア業界が苦しかった時期に創刊しました。WEBメディアもCMを打つことに積極的な時代で競合もCMを出していましたが、私は4MEEEの世界観には雑誌とのコンテンツ連携の方が合うと思ったんです。
TV CMより挑戦しやすいですし、記事メディアとしてあるべき姿だと考え、思い切って雑誌にトライしてみました。雑誌・4MEEEは現在までに計4冊出させていただいているのですが、この間にコンテンツの作り方、コストバランスにおいて、私の中でたくさんの学びがありました。
WEBメディアでしかコンテンツを作ったことがなかった私は、時間及び費用に対するコストを最小限に、クオリティの高いコンテンツを作るように意識してきたんです。自分の中で、お金と時間をかけたらかけた分だけ素晴らしいコンテンツは出来上がるだろうという考えがあって、そこには頼りたくないと思うんですね。
例えば、広告が絡んでいない自主企画の場合、撮影の時点では誰の目も気にすることもないから、1時間25000円のスタジオを使う必要もないと思うんです。1時間5000円のところでも編集のディレクションだったり、カメラマンのセンスだったりで25000円のスタジオと同じ、むしろそれ以上のクリエイティブは作れるんじゃないかな、と。
雑誌制作を通じて、リッチコンテンツの作り方や、雑誌業界のスタンダードな時間とお金の使い方というものが理解できました。
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2号目からは、自分の中で雑誌のコストバランスがわかったような気がして、クオリティを維持したまま、今かけている費用の半分くらいで作れるんじゃないかとも思えてきて。4号目は、4MEEE編集部に雑誌チームを作って制作したので、コンテンツにおいてもコストにおいてもベストバランスが見出せた、自分の中でも印象強い一冊です。
時間とお金を使えばきっといいものは作れますが、コンテンツには答えがありません。絶妙なバランスを考えて実行して反響をみる、この一連の流れがコンテンツ制作において面白みを感じるところですね。
―――ブランド価値を高めるために行ってきた施策と、今後の新事業について教えてください。
昨年は、ブランド価値を生かした新しい可能性を見つけては挑戦しました。ポップアップストア、ウェディングドレス、婚姻届、スクールビジネスなど本当に色々と挑戦した年でした。
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色々とやってみて、今年はコミュニティを作りに専念することにしました。
これまでもユーザーとのコミュニケーションを大切にしたくて、1000人規模、50人規模、30人規模と、リアルイベント自体は月一くらいはやってきてました。しかし、イベントだけだと一過性で終わってしまい、もっと深い関係性構築を築くことができないかと思うことが増えていきました。
コミュニティづくりでは、熱狂的なファンをいかに増やせるかが重要だと考えています。見かけの数字だけが多くて影響力が少ないのでは意味がないなと思っていて。
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超人気インスタグラマーのオンラインサロン。
それで、4MEEEでは、10月からオンラインサロンを始め、4MEEE・4yuuu!で活躍してくれている3人のインフルエンサーのサロンを企画運営していきます。サロンメンバーは9月から事前募集を始めます。サロンにより、コミュニティが一層強固になると期待しています。
そもそもインフルエンサーのオンラインサロンを企画運営したいと思ったのは、これから求められるメディアとインフルエンサーが似ているなと感じたからなんです。
いまのメディアって必ずしもPV至上主義ではなく、そのなかで熱量の高い経済圏をどう作るかが大切じゃないですか。メディアもインフルエンサーも広告主から成り立たせるのではなく、ファンから成り立たせた方が長く愛される圧倒的な存在でいられるはず。
インフルエンサーと名乗るには、フォロワーを何万人、何十万人にしないといけない、というイメージが強いと思いますが、でもたとえば100人でも500人でも熱狂的なファンがいれば、大きなビジネスができます。
定期的にインフルエンサーの皆さんとお仕事だったり交流させていただいていますが、みんなインフルエンサーとしてのプロ意識も高いし、1人の女性としても魅力的なので、私自身が魅了されています。今回の4MEEEが企画運営するオンラインサロンは、そんなインフルエンサーの方々の新境地を見出すきっかけになったらいいなと思っています。
―――最後に社長として気を付けていることを教えてください
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女性向けサービスを運営していることもあって、リアルでもオンラインでも出来るだけ多くの女性を見るようにしています。
実は、私めっちゃツイッタラーなんです。1日4時間はチェックしているので、Instagramよりも使っているかも?(笑)Instagramは華やかで美しい世界観だけれど、Twitterは匿名でやっている人が多いし、不満や生の声がキャッチアップできて、共感できるしずっと見ていられるんですよね。サービス開発にも活きています。人間性が良く出ていて、ターゲット層はここにコンプレックスを感じて生きているんだな、と知ることもできるし、何かとTwitterで検索することが多いですね。
あとは、社長は情熱と根気担当だと思っています。365日24時間記事を配信していると、そのルーティンから見失ってしまうことがあったり、すぐ結果が出なくて嫌気がさしたりもすると思うんですが、どんな時も自分のメディアの可能性を諦めずにいること。
もちろん経営数字もしっかりと見ていかないと、ブランド(メディア)は続かないので私が考えるブランド維持のベストバランスを信じて全うしていきたいです。
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4MEEE、4yuuu!を通して、ブランドができたら強いんだな、と心から感じています。
一緒に切磋琢磨してきた他メディアさんも見てきて、情熱だけ注いでいても、淡白に数字を追うだけでもダメで、いかにブランド(世界観)を作って維持をするかが運営サイドに大切だと感じています。この5年で4MEEEが培った、ブランドを意識したコンテンツノウハウは、他の人たちやコトにも生かせると思います。
新たなインフルエンサーの育成・活躍の場や、4MEEEハウスのような施設を作ってみんなが集まれるようなコミュニティの場、それから結婚式のパッケージなども作れたらと様々構想しています。熱量の高いコミュニティ起点の、プロダクトのサブスクもやってみたいですね。