グロービス経営大学院やグロービス・キャピタル・パートナーズを率いる堀義人氏が茨城県のラジオ局である茨城放送の株式を取得。将来的に県域テレビ局が不在の茨城にテレビ局を開設することを目指すとしています。

掘氏は茨城県水戸市の出身。地元の空洞化に危機感を感じたことから、「水戸ど真ん中再生プロジェクト」を立ち上げ、地元のBリーグ所属のバスケットボールチーム「茨城ロボッツ」にも出資をするなど様々な取り組みをする一方で、茨城県のメディアの脆弱性を感じていたとのこと。47都道府県で唯一、県域テレビ局がなく、県域FMもないことから、将来のテレビ局開設を視野にラジオ局の茨城放送と協議を行ってきたとのこと(堀氏のブログ)。

今回、茨城放送の大株主だった朝日新聞社、日刊スポーツ新聞社、茨城県が譲渡に応じて、掘氏(有限会社水戸茨城イニシアティブ)と茨城ロボッツが合計45.12%を所有する大株主となりました。また、その他の株主からも売却希望があれば前向きに検討するとしています。茨城県は引き続き6.14%を保有する第3位株主です(茨城放送の公式発表)。

12月開催の臨時取締役会で堀氏が取締役オーナーに就任するほか、茨城ロボッツの山谷代表が監査役に就任予定だとのこと。また、堀氏の持ち分は茨城ロボッツに売却する予定だとしています。

茨城放送は1963年に開設されたAMラジオ局で、茨城県全域をサービスエリアとしています。堀は新たなミッションとビジョンを以下のように掲げています。

茨城放送の理念(案)

・ミッション
ラジオを含む動画・テキストメディアを通して、茨城県の内外にスポーツ・音楽・ライフスタイル/学び情報やニュースを提供し、茨城を元気にし、日本全体に茨城の魅力を伝える!

・ビジョン
ラジオの枠を超えて、ネット・動画・イベントなどを組み合わせた新たな地方発メディアカンパニーの魁モデルを創る!

今後の5つの方針

1)ラジオ以外に動画も発信する。テレビ局あるいはそれに準ずるネット動画チャンネルを立ち上げる
2)カバーする領域を首都圏まで拡充することを検討する
3)キーコンテンツは4つで、アライアンスを徹底的に強化する
・スポーツ(茨城ロボッツ、鹿島アントラーズや水戸ホーリーホック)
・音楽
・ライフスタイル・学び
・ニュース
4)インターネットやSNSでの露出を強化して、radikoなどを通して日本全国に視聴者を増やす
5)茨城ロボッツとスポンサー営業、イベント事業等でのシナジーを最大化させる

堀氏の経営者としての実績やネットワーク、茨城ロボッツというスポーツ事業との連携によって、地域の放送局を生まれ変わらせることができるのか。多くのラジオ局が苦境にある中で、取り組みが注目されそうです。

また、茨城ロボッツ・スポーツエンターテインメントの山谷 拓志代表は次のように述べています。

「茨城ロボッツは、「地域のメディア」となることを標榜し、プロスポーツなどのコンテンツにより、茨城の魅力を多くの人に伝え、茨城県におけるマーケティングソリューションを提供していくことを目指しています。今回、茨城放送様とのご縁により、地域のメディアとしての機能をさらに高めることができると考えており、スポーツやエンターテインメントによる地方創生をより推進し、「地方発メディアカンパニー」の魁(さきがけ)モデルをつくりあげていきたいと思っております」