全世界で月間ユーザー数(MAU)が4億人を突破したというピンタレスト(Pinterest)。2010年に現在もCEOを務めるベン・シルバーマン氏が創業。ビジュアル探索ツールを標榜し、世界的にユーザー数を伸ばしています。楽天が初期からの主要な投資家の一つで、2019年には上場を果たしています。
日本でも陣容が拡大していて、成長が加速しているようです。ピンタレスト・ジャパンの代表を務める舩越貴之氏に、ピンタレストが目指す世界観、日本での状況、そしてピンタレストを日本のメディアはどう活用していけば良いのか、お話を伺いました。
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ンサーのオーディエンス拡大を支援するコンサルタントとして活動。 2018 年に、現在の Pinterest Japan 代表に就任。(Photo by Roger Kisby/Getty Images for Pinterest)
―――これまでのご経歴を教えてください
ピンタレストに加わる前は、グーグルに在籍していた期間が長く、アドセンスやYouTubeを担当していました。仕事としてはどちらも優れたコンテンツやアーティストを支援し、ビジネスを提供し継続可能なものにするという点で一貫していると考えています。
実はピンタレスト創業者のベン・シルバーマンがグーグルに在籍していた経歴があることから、かなり初期からベンがピンタレストに取り組んでいる事は知っていました。インターネットが進化するにつれ、情報摂取の方法がどんどんリッチになっていき、今の若い人はビジュアルで情報を得る比率が圧倒的に増えています。
ピンタレストはそうした情報を摂取する場であると同時に、クリエイターが自分を表現する場でもあります。今までやっていた仕事とも共通する世界で、自然とピンタレストに加わっていました。
―――ピンタレストが目指すのはどういった世界なのでしょうか?
掲げているのは「ビジュアル探索ツール」という言葉です。繰り返しになりますが、情報摂取をビジュアルで行う人が増えています。言葉で何かを探すのではなく、ピンタレストを開くと機械学習によって自分の興味関心に合わせた、インスピレーションを刺激する画像や動画に次々と出会える。それによって生活を豊かなものにしてもらう、これがピンタレストの目指すミッションです。
SNS(ソーシャル・ネットワーク)と括られることがありますが、SNSとは異なるサービスです。SNSは人との繋がりが重要で、友達や有名人の近況を知ったり、自分を披露したりする場で、人間関係がベースになっていますが、ピンタレストは自分がこれからやってみたいことや興味関心と繋がるパーソナルな探索ツールです。多くのオンラインプラットフォームが時間消費を重要視し、囲い込みを図っているのと対極的で、ピンタレストはプラットフォームで画像や動画に触れて、前向きなインスピレーションが得られることによってオフラインで行動に移し、暮らしをさらに豊かにすることを目指しています。
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―――世界で4億人(MAU)を突破したということですが、日本ではどういった状況でしょうか?