投資家向けのメディア「みんなの株式」「株探(Kabutan)」や金融機関向けのソリューション事業を展開する株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド(旧社名: 株式会社みんかぶ)が3月19日に東証マザーズに上場することが承認されました。「Iの部」を元に同社の事業を整理してみます。
同社の大きな柱は「みんなの株式」「株探(Kabutan)」など月間500万UU、1800万ビジターを獲得しているメディア事業と、100社以上の金融機関を中心にASP型で情報やコンテンツを提供するソリューション事業の2つです。いずれも、大規模なユーザーによる投稿・閲覧データの保有、AIを活用したコンテンツ生成技術や分析、国内外の金融情報の収集などがコアとなります。
目次
メディア事業は順調に拡大中
メディア事業のUUやビジター数は年々増加を続けていて、主に広告収入と課金収入がビジネスの柱です。広告は純広告、アドネットワーク、口座開設等のアフィリエイトが主です。主にSEOで集客しているとのこと。
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主力の「みんなの株式」「株探」のほか、「みんなの仮想通貨」「みんかぶFX」「みんかぶコモディティ」など多数の領域に特化したメディアがあり、三菱UFJグルーブのJapan Digital Designとの共同プロジェクトとして保険ロボアドバイザーの機能を搭載した個人向け保険情報サイト「みんかぶ保険」も運営しています。
加えて、株探の有料版「株探プレミアム」や投資教育サービス「トレードマスター225」などの月額課金を2018年3月期から提供しています。「株探プレミアム」ではリアルタイム株価、速報記事の先行配信、最大20期の企業業績表示、5年間の業績修正履歴など付加情報が提供されています。
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ソリューション事業を100社以上に提供
ソリューション事業ではメディア事業向けに開発した情報コンテンツやアプリケーションをB2B向けにソリューション化して提供。AIによる全上場銘柄の記事自動生成では、発表から1秒で生成する速報性、過去データを用いた銘柄ごとの特徴を用いた捉えた分析を実現しています。
また企業内部で活用されるソリューションとして、個人投資家に人気のテーマ株をソリューション化した「MINKABU テーマ別銘柄ソリューション」、音声AIを活用して個別銘柄株価を検索できる「MINKABU IVRソリューション」、商品先物情報に特化した情報端末ソリューション「MINKABU e-profit」、金融機関営業員向け情報端末ソリューション「MINKABU Sales-Cue」、事業法人向け情報端末ソリューション「MINKABU Corporate-Cue」などを展開しています。
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これらが100社を超える企業向けに月額固定、ID数などに応じた従量課金で提供されているとのこと。
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業績は前期から黒字転換
進行期である第13期第3四半期(2018年4月1日~12月31日)の業績は、売上高が14億1900万円、営業利益が1億4000万円、経常利益が1億3000万円、四半期純利益が1億1100万円でした。
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セグメント別の売上高ではメディア事業が6億9300万円、ソリューション事業が7億2500万円で規模としてはソリューション事業が上回っています。
主要な取引先としてはインタースペース(19.2%)やグーグル(11.4%)が挙げられています。アフィリエイトやアドネットワークでの取引先と見られます。
大株主は、企業投資の起業投資事業有限責任組合(本社と2ファンド合わせて13.73%)、代表の瓜生憲氏(10.59%)、SBIグループのFinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合(8.01%)、ソニーネットワークコミュニケーションズ(7.69%)、朝日新聞社(6.67%)、SBIグループの6ファンドで計5.34%など。