「デジタルメディアに挑戦する人々の学びの場」としてMedia Innovation Academyを開設いたしました。7月18日(木)にメディアの「マネタイズ」「運用」「新規事業」をテーマとしたイベントを開催いたします。
登壇者でもある株式会社グライダーアソシエイツ 上席執行役員CMO山口 翔 氏にメディアの「マネタイズ」「運用」「新規事業」についてお尋ねしました。
山口 翔 氏のご経歴は下記の通りです。
株式会社グライダーアソシエイツ 上席執行役員CMO
2009年神戸大学工学部を卒業。在学中に学生特化型ビジネススクールを立ち上げ(現在はクローズ)。卒業後、マクロミルへ新卒入社、マーケティングリサーチの営業を経て、人事部にて新卒採用プロジェクトを統括。
2015年グライダーアソシエイツへ転籍し、キュレーションアプリantenna* の広告事業を立ち上げ。広告営業、商品企画、経営戦略室長を経て、2017年よりantenna* 事業全体(サービス開発・キュレーション・プロモーション・マネタイズ)を統括。
現在は、メディア/ブランドのグロースプラットフォーム、新規事業craft. を立ち上げ、事業責任者として事業を推進。
―――これまでの経歴と簡単に自己紹介をお願いします
新卒でマクロミルに入社し、マーケティングリサーチの営業を経て、2011年からは人事部にて新卒採用プロジェクトを統括してきました。『これからの日本を共に創っていく学生にこそ、たくさんの選択肢の中から、後悔のない人生を選択してもらいたい。』という想いから40社を超えるベンチャー企業人事の連合組織「Venture’sLive」を立ち上げ、各社の人事のみで作り上げる1000名を超える規模のユニークな採用イベントを仕掛け、採用市場と向き合ってきました。
2014年、当時はメディアや広告など、右も左も全く分からない状態で、グライダーアソシエイツへ出向、その後に転籍し、antenna* の広告事業を立ち上げてきました。2017年よりantenna* 事業全体を統括し、現在はメディア/ブランドのグロースプラットフォームである新規事業craft. を立ち上げ、事業責任者として推進しています。
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―――現在、携わられているお仕事について教えてください
2019年4月からグライダーアソシエイツの新規事業となる「craft. 」というサービスを提供しており、事業全体を統括しています。プロダクト開発からメディア/広告主それぞれへの企画提案、組織開発まで、事業成長に関わる全てをマネジメントし、現在は10名ほどのチームを組織しています。
―――なぜその仕事に携わることになったのでしょうか
会社として、新たな事業を行っていくという観点に加え、これまでantenna* を通じて関わってきたメディアの皆様へなにかもっと還元していきたい、広告主が安心して出稿できる、これからの時代に合った新しい広告ネットワークを提供していきたいという想いから事業を起案するに至りました。
―――その仕事の魅力はなんですか
craft. はメディアにとって、グロースとマネタイズを両面でサポートするプラットフォームになっています。内部回遊からタイアップ案件の自動運用、特定のセグメントごとにアクションを発動させるWEB接客機能から分析機能まで、これらをすべて無償で提供し、さらに広告枠をネットワーク化して販売することで、メディアの収益化も支援するものです。
コンテンツをリアルタイムで解析しているからこそ、広告商品もコンテキストをきちんと捉えた良質な広告体験をユーザーに提供することができます。世の中にとって、メディアにとって、広告主にとって、その先にいるユーザーにとっても、心の底から価値のあるものだと考えています。
日々の業務において手作業で行っている細かい単純作業をテクノロジーに代替することで生み出される時間を、ユーザー、つまりはメディアの読者に喜んでもらえる企画を練る時間にあてたり、新しいことにチャレンジする時間にあてたりと、人にしかできない仕事を積み重ねてメディア価値をあげていけるような、そんな思想を持ったプラットフォームでありたいなと思っています。
―――メディアが果たすべき役割についてどう思いますか
私が偉そうに話せる立場ではありませんが、人が消費できる情報の消費量と実際に流通している量に圧倒的に乖離があり、さらに個人がメディア化し、分散する現代です。そんな時代において、メディアが果たすべき役割は、どんな読者に対して、最終的にどういう状態になってもらいたいか?を考え抜くことかと思います。
リアルとデジタルの垣根を超えたコンテンツ、つまりは体験を通じて、生活者のこころを動かし、その先に経済を動かしていくことは、やはりメディアにしかできないのかなと思っています。
―――メディアのマネタイズ方法についてご意見を聞かせてください
antenna* もそうですが、マネタイズの手段が広告枠の販売だけになると、かなり難しい時代だと思います。自社のアセットをもとに、独自性を持って事業領域を拡大することが重要だと思います。
antenna* を運営するグライダーアソシエイツは、企画×制作×流通をテーマに、イベントやOOHなどのリアル媒体からSNSやその他デジタルプラットフォームまでを広告主の課題に合わせて統合的なプロモーションを企画する集団へと生まれ変わりつつあり、実績もでてきています。
―――メディアの運営のコツについてご意見を聞かせてください
ターゲットとなる読者をよく理解して、独自性をいかに追求できるか、が大事だと思っています。その上で、そこでしか得られない情報や体験を提供しているメディアは希少性が高く、運営もうまくいってるのではないかなと。
antenna* もそうですが、定期的にユーザーインタビューを行っており、たくさんユーザーに会う!ということも大事だと思います。
―――メディアの新規事業についてご意見を聞かせてください
イベント事業、EC、D2C、ユーザー課金、、、など手法論について、議論されることが多いように思いますが、自メディアのステークホルダーに対して、本質的に提供したい価値はなにかを考え、存在する意義(ミッション)や実現したい世界観(ビジョン)に立ち返って、まずはメディア価値を”再定義”することが重要だと思います。
グライダーアソシエイツとしても、新たな事業展開を検討する際に、いつも立ち返るのは創業以来ブレずに掲げてきた「Terminal of Media」というビジョンです。
―――メディアの未来はどうなっていくと思いますか
2007年にiPhoneが発売されてから、急速にメディアを取り巻く環境が変化してきたように、メディアの未来を正しく予測するのは難しいですが、正しく頑張っている人がもっと正しく評価されるように、業界が健全に発展していくような事業運営を通じて、メディアの未来をこれからも考えていきたいと思います。
―――イベントにいらっしゃる方々へのメッセージをお願いします
当日にお会いする方々と我々でなにができるか、踏み込んで考えていきたいと思っていますので、お会いできることを楽しみにしております!
Media Innovation Academy #1 業界TOPリーダー18名が集結!メディアの「マネタイズ」「運用」「新規事業」研究会
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株式会社イードが運営するMedia Innovation が、「デジタルメディアに挑戦する人々の学びの場」としてMedia Innovation Academyを開設いたしました。リアルな交流、協業が生まれることを目的としており、オンライン、オフライン合わせたコミュニティを形成していきます。
今回のイベントは下記18社の方々に5分ほどプレゼンいただき、その後、メディアの「マネタイズ」「新規事業」「運用」をテーマに、座談会を実施いたします。
アドテクノロジー、テレビ・雑誌・新聞のデジタルメディア、メディア業界のオープンイノベーション、メディア担当者が知っておくべきマーケティングのテクノロジー、ブロックチェーンなどの新規ビジネス、メディア起点の横展開、顧客データを活用したメディアビジネス、海外メディアの動向、カテゴリー特化のバーティカルメディア、インフルエンサービジネス、メディアが行うオンラインサロン、メディア業界の再編ファンド、など、盛り沢山の内容でお送りいたします。
■概要
日時 2019年7月18日 (木) 19:00 – 22:00
会場 Speee Lounge:〒106-0032 東京都港区六本木4-1-4 黒崎ビル4階
(東京メトロ日比谷線、都営大江戸線六本木駅、4a、6番出口から徒歩7分)
主催 株式会社イード/ 株式会社メディアインキュベート
■スケジュール
18:30 開場
19:00 開演、主催者挨拶
19:05 各登壇者からプレゼンテーション(16社)
20:30 パネルディスカッション
21:15 懇親会(軽食とドリンクを用意します)
22:00 終了