プレスリリース配信サービスなどを運営する株式会社PR TIMESは、同社が保有する100万件以上のプレスリリースなどのビッグデータをAIで解析し、トレンド予測やメディア分析を科学的に提案する、広報PR支援サービスの提供を開始しました。
データ解析にあたり、東京工業大学関連のベンチャーキャピタルファンドを設立・運用する「みらい創造機構」から2020年1月にスピンオフした株式会社みらいリレーションズが手掛けるデータ利活用システム「F-Ledger(フレッジャー)」と連携し、共同開発を進めるとのことです。
今回、PR TIMESが提供を始めたPRパートナー事業は、従来型の属人的なPR支援とは異なり、原稿のキーワード選定からメディア理解まで、データに基づき最適な選択を行います。基本契約期間は6ヶ月~、料金は月額60万円~(応相談)。
今回、両社が共同開発を進めるシステムでは、通常のビッグデータ解析では抽出しきれない、少ない頻度・件数の記事の動きからも傾向を読み取り、出現頻度が徐々に増加している段階から流行を先読みし、PR活動のヒントにすることが可能になるとしています。例えば、2021年スイーツのビッグトレンドとなった「マリトッツォ」のワードを含む記事数分析では、2021年2月頃から急激に伸びていますが、実際には2020年秋頃に件数はわずかですが前月比7倍の伸び率を見せています。初期の変化とその後の飛躍との相関性の分析で、流行の兆しをいち早くキャッチし、顧客へのPR提案を可能にするとしています。
また、特定のキーワードと合わせてよく使われている単語の抽出もできるため、組み合わせを意識したプレスリリース作成や、メディアごとの特色をつかんだアプローチにつなげることもできます。例えば、秋冬コスメを発売予定のクライアントに「アイシャドウ」というキーワードを含む記事(2020年9月~12月掲載分)を分析したところ、女性向け「Webメディアカテゴリ全体」と、 同社が運営する10代後半~20代女性向けWebメディア「isuta」では、掲載数の傾向に違いが見られます。
カテゴリが同じ媒体でも個々の傾向の数値的に分析することで、メディアごとに価値のある情報を提供し、情報を本当に必要としている生活者のもとに届けられるとしています。