イルグルムは5月19日、マーケティングコンサルティングを手がけるアタラの全株式取得に向け、基本合意書を締結したと発表しました。現時点では検討段階で、今後デューデリジェンスなどを経て最終的な株式譲渡の可否を決定します。
予定では、株式譲渡契約の締結日は2026年6月12日、譲渡実行日は同年6月30日です。取得価額は協議中で未定としており、実行された場合、アタラは2026年9月期第4四半期から連結子会社となる見込みです。
イルグルムは、広告効果測定プラットフォーム「アドエビス」を中心にマーケティングAIサービスを展開しています。生成AIなどの進展により、デジタルマーケティング領域でも分析や運用業務の自動化・効率化が進むと見ています。
同社は、広告媒体データの自動収集から自律的な分析、施策立案までを行う新SaaS「アドエビス・キャンペーン・マネージャー」を展開しています。AIとプロダクトの進化により、従来は外部パートナーに委託していた高度な広告運用が、顧客企業自身でも実行可能になりつつあるとの認識です。
一方で、広告運用の本格的なインハウス化には、ツール導入だけでなく、組織体制の構築、戦略立案、運用ノウハウの習得といった人的支援が必要になります。今回の基本合意は、その領域を補完する動きといえます。
アタラは2009年9月10日設立で、資本金は4,700万円です。マーケティングコンサルティング事業、データマネジメント事業、システムソリューション事業を手がけています。
同社の2025年12月期の売上高は5億5,600万円、営業損失は3,900万円、当期純損失は3,800万円でした。2023年12月期、2024年12月期も赤字で推移していますが、イルグルムはアタラの専門ノウハウや研修カリキュラム、自走できるマーケティング組織の育成力を評価しています。
イルグルムは今後、キャンペーンマネージャーによるシステム支援と、アタラのコンサルティングによる人的支援を組み合わせます。エンタープライズ顧客基盤へのクロスセル、現場知見のAIアルゴリズムやプロダクト開発への還元、LTV向上につながる事業モデルの構築を目指します。
AIで広告運用の一部が自動化されるほど、企業側にはデータを保有し、理解し、施策に反映する体制づくりが問われます。今回の動きは、広告・マーケティング支援が運用代行から「自走できる組織づくり」へ広がる流れを示しています。

