創刊170年を誇る英国の名門紙テレグラフが、ついに新たなオーナーの下に入ることが決まりました。5月23日、米プライベートエクイティファームのRedBird Capital Partnersが、The Telegraph Media Group(TMG)を5億ポンド(約6億7300万ドル)で買収する原則合意に達したと発表されました。
この買収劇は、メディア業界における外国資本の影響力と、デジタル転換を進める伝統メディアのビジネスモデルを巡る議論の縮図でもあります。特に注目すべきは、買収を主導するRedBird Capitalの創設者ジェリー・カーディナーレ氏が描く、スポーツ・メディア・エンターテイメントを横断する巨大コングロマリットの構想です。
約2年にわたって続いたテレグラフの所有権を巡る混乱は、英国政府の外国国営企業による報道機関投資への規制強化という政治的思惑と、メディア企業の持続可能な成長戦略の模索という経営課題が複雑に絡み合った事例として、業界関係者の注目を集めてきました。