170年の歴史を持つ英テレグラフの売却問題に終止符、買ったRedBird Capitalの壮大な戦略とは

・英国の名門紙テレグラフがRedBird Capitalに売却されることが決定
・RedBirdはデジタル化とAI活用を進める新たな戦略を描く
・印刷メディアへの大型投資が復活し、業界内の資本提携が活発化する

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テレグラフを買収したRedBirdCapital ※AIで生成した画像
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創刊170年を誇る英国の名門紙テレグラフが、ついに新たなオーナーの下に入ることが決まりました。5月23日、米プライベートエクイティファームのRedBird Capital Partnersが、The Telegraph Media Group(TMG)を5億ポンド(約6億7300万ドル)で買収する原則合意に達したと発表されました。

この買収劇は、メディア業界における外国資本の影響力と、デジタル転換を進める伝統メディアのビジネスモデルを巡る議論の縮図でもあります。特に注目すべきは、買収を主導するRedBird Capitalの創設者ジェリー・カーディナーレ氏が描く、スポーツ・メディア・エンターテイメントを横断する巨大コングロマリットの構想です。

約2年にわたって続いたテレグラフの所有権を巡る混乱は、英国政府の外国国営企業による報道機関投資への規制強化という政治的思惑と、メディア企業の持続可能な成長戦略の模索という経営課題が複雑に絡み合った事例として、業界関係者の注目を集めてきました。

2年越しの買収劇、政治的思惑が生んだ複雑な構造


《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの事業統括やM&Aなど。メディアについて語りたい方、相談事など気軽にメッセージください。

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