デジタルガレージは、子会社BI.Garageを通じて、AIオーケストレーション型広告事業「FT MediaString」を始動しました。同社グループ独自のフィンテックデータと、国内33社の有力媒体が参画する「クオリティメディアコンソーシアム」のメディアデータを掛け合わせ、潜在顧客への적切な広告配信を実現するサービスです。

BI.Garageが運営する広告配信プラットフォーム「MediaString」は、国内の有力新聞社・出版社など30社以上のメディアコンテンツを横断的に活用し、記事内容や文脈を解析したコンテクスチュアルターゲティングを提供してきました。今回の「FT MediaString」では、これを基盤としつつ、シンガポールのSQREEM Technologies社が提供する認知型AI「ONE Insight」を組み合わせています。BI.Garage代表取締役CEOでデジタルガレージ執行役員CDMOの新澤明男氏は、「高品質なメディアとAI技術の相乗効果を最大化し、インターネット広告の新たな可能性を切り拓くソリューション開発を推進しています」とコメントしています。
ポストCookie時代のコンテクスト×AI配信
デジタル広告市場では、ポストCookie時代の到来により、個人のプライバシーを保護しつつ広告主のターゲットに的確にアプローチする手法が求められています。「FT MediaString」は従来の出稿枠や掲載面の指定にとどまらず、フィンテックデータとの掛け合わせにより「データに基づいた潜在的な興味関心」を軸にした配信を実現するものです。
具体的なプロセスとしては、まずSQREEMの認知型AI「ONE Insight」がオープンウェブ上の膨大な行動データからターゲット層の興味・関心パターンを分析・特定します。次にその分析結果を「MediaString」に連携し、ターゲット層が日常的に接触している良質な記事コンテンツをリアルタイムで抽出します。そして、特定された高親和性記事に対してピンポイントで広告を配信する流れです。ユーザーが記事を読んでいる「モーメント」を捉えたアプローチとなっています。
SQREEMの「ONE Insight」は、状態空間モデルやデータ圧縮などの数論フレームワークと「認知・推論・理解」に特化した独自AIを融合したオーディエンス調査プラットフォームです。デジタル空間上の構造・非構造データからデジタル行動を検知し、その背後にある意図や興味関心を常時解析する仕組みとなっています。
実証実験でブランドリフト効果を確認
「FT MediaString」の始動に先立ち、デジタルガレージが提供するBtoB決済サービス「DGFT請求書カード払い」を対象とした実証実験が行われました。資金繰り改善、決済効率化、経営戦略等に関心のある層をAIで特定し、ブランド力の高いメディアへ広告を配信したものです。

楽天インサイトによるブランドリフト調査では、接触群200サンプル・非接触群200サンプルの計400サンプルで検証が行われました。結果として、広告内容の理解度が18ポイント向上、「資金繰り改善に寄与する」イメージが9ポイント向上、「信頼性が低い」というネガティブ回答が10ポイント減少という3項目でポジティブな変化が確認されています。ターゲットが限定されるB2B商材においても、AIによるモーメント特定とコンテクスチュアル配信の組み合わせが有効に機能した形です。
新澤氏は今後の展開について、「グループシナジーをさらに深め、フィンテックデータのみならず様々なデータを掛け合わせることで、決済からマーケティングまで一気通貫で支援する『Variable Data × Media Solution』の提供を加速させてまいります」と述べています。



