メディアもコモディティ化した社会では想いが大切、macaroni運営・株式会社トラストリッジ 世古取締役インタビュー

メディアレップ、SSPから、グルメメディア「macaroni」も運営しているトラストリッジ社。EC、インフルエンサーのキャスティングなど、メディアのブランド化に意欲的に挑戦している。メディアの未来、グルメメディアの現況について、今回は「macaroni」の責任者として担…

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メディアレップ、SSPから、グルメメディア「macaroni」も運営しているトラストリッジ社。EC、インフルエンサーのキャスティングなど、メディアのブランド化に意欲的に挑戦している。メディアの未来、グルメメディアの現況について、今回は「macaroni」の責任者として担当している世古取締役にお話を聞きました。

―――macaroniを立ち上げたきっかけは何ですか?

macaroniの前にグルメブックの話をしないといけないですね。もともと代表の大場も僕も食が好きで、サービスをやるなら食の分野でやろうと決めていました。そこから「Gourmebook グルメブック」という行った・行きたいお店をシェアするグルメログ系のサービスを1~2年ほど運用していたのですが、伸び悩んだ時期がかなりあって…。

そんな中、海外では、ちょうどBuzzFeedやUpworthyのようなバイラルメディアや、キュレーションメディアが急成長していたところで、「これは来るな」と思って事業として立ち上げようと考えました。それで、2013年の年末ごろから年明けにかけて、当時いたエンジニアとこっそり始めたんです。代表の大場の決裁も仰がずに(笑)。

食が好きだったのは、もともと生まれ育った熊本の実家が、寿司屋、仕出し屋、焼肉屋といった飲食店を営んでいたことも大きいですね。小学校から帰ってきたら、仕出し屋で働いているおばちゃんたちと長いテーブルを囲んで一緒にご飯と食べることが多くて。

そんな風にみんなで楽しみながら食事をする、という温かい世界観を広くいろんな人に伝えられたら、という思いは今でも強いです。

―――macaroniストアを立ち上げた理由を教えてください

当時2015年の構想としては、食の全包囲ビジネス、女性に最も愛されるグルメニュースプラットフォームという言葉を使っていて、メディアmacaroniを行動の起点(送客エンジンとして)に、飲食店、出版事業、EC、イベントやケータリング事業、当時のVineやPeriscopeを意識したLive配信アプリ(CtoC)、料理教室、データ提供とかを考えていました。海外のFood Networkという食をテーマとした専門のテレビ局を見たりしてて、エンタメ要素を強くしていきたいとも考えてました。

その中でもEC、メディアコマースは、情報や商品を紹介しているメディアにとってそのまま商品を購入できるということは、ごく自然な流れと考えていましたので、macaroni store(マカロニストア)をリリースしたという背景があります。

現在の狙いとしては、ストア単体でも事業を成長させていきますが、同時にメディアと共にデータ基盤を整え、行動・購買データから次の事業をつくることを想定しています。

食の領域に関わるサービス事業者として、濃度が高い食に関わる顧客のデータを収集し、顧客の課題に対して、連続的に解決策を提供していきたいと考えています。

―――メディアをやるうえで気を付けていることはありますか?

意思・ビジョンを持つこと、品質を担保すること、そして楽しむ、ことの3つですかね。

メディアっていつも何かをセレクトして発信してるんですよね。その何かというのは、モノでもあるし、情報やテーマでもあるし、人の考えや暮らし方だったり。それを読者におすすめしてるんです。

その背景には、何らかの感情を抱いてほしいとか、良い体験をしてほしいとか、問題を解決するとか。メディアは発信する側の意思や想いがあるはずなんですよね。

そういう意味だと、新興メディアはこの部分をテクニカルにやりすぎていると思っています。情報もメディアもコモディティ化した社会では、この意思や想いがとても重要になると思っています。

なのでメディアをやるのであれば、意思やビジョンを持ち、情報が溢れている中で顧客に対し、メッセージを伝えていくことはとても大切かなと思っています。

それと当たり前なんですけど、その情報の裏付けや伝え方、クリエイティブなど、品質はしっかり守らないと意味ないですよね。そこを顧客と約束することは前提としてあります。

メディアのブランド化というワードがちらほら出ていますが、まさに安心して顧客に情報を消費してもらう必要があり、課題とも思っているところです。

そして、やはりコンテンツやサービスを提供している僕らが楽しむってことが一番大事だなと思っています。まぁビジネスとのバランスもあるので、すごく難しいですが(笑)

読者に楽しんでもらいたい想いで発信している僕ら側が、疲弊していたら意味ないですからね。だから、早くそこまでいく事業を作らないといけないなって常々思っています。

楽しいのに儲かってるという状態、そしてファンもしっかり付いている。それができたら本当に最高ですね。

―――これから注力したいものはありますか?

いろいろあるんですが、特に注力していきたいのは、メディアのブランド化、マネタイズ手法の拡張、行動・購買データの利活用ですかね。

メディアのブランド化については、先ほどお伝えしたようにコモディティ化した社会において必要不可欠なことだと思っています。ここに対しての具体的なHowは熟慮しているところではありますが、まずはコンテンツを作る上でのアプローチ手法の変更と品質を高めることによって臨みたいと考えています。

次にマネタイズ手法の拡張について、macaroniの収益モデルは、今後はストアの売上も期待できますが、まだまだメインは広告です。ディスプレイ収益は安定的ではあるものの、記事広告やSNSを活用した、いわゆるタイアップ収益には波があります。

5,000人を超える食のインフルエンサー・マカロニメイト

一方で、macaroniには、記事、動画、料理、レシピ開発、フードスタイリング、イベント、あとは5,000人を超える食のインフルエンサーコミュニティ「マカロニメイト」というアセットがあります。これらのアセットをより強化し、広告主もユーザーもwinwinの関係になれるユーザーフレンドリーな広告を新たに提供していきたいと考えています。

最後に、行動・購買データの利活用についてですが、メディアmacaroniとmacaroni storeをリリースしたことによって、それらを組み合わせた次の事業開発ができると思っています。

まずはデータベース基盤を整え、顧客とのタッチポイントを増やしつつ、データ集計・レポーティング、分析、施策実行と、様々なモーメントを読み解き、食にまつわる様々な課題を解決していきたい。さっそく来年に向けて新しいサービスの構想も進めているところです。

《浜崎 正己》

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浜崎 正己

浜崎 正己

メディアの立ち上げと運用を支援する(株)メディアインキュベート の代表。1988年千葉県生まれ。Twitter : https://twitter.com/masaki_hamasaki

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