これからの編集部の在り方を考えるオンラインイベント「Editorial Innovation Night」がスタートしました。初回は、「ハフポスト日本版」を運営するザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン株式会社 取締役CEOの崎川 真澄氏による講演などがあり、崎川氏は編集部門のデジタル化について自社の取り組みを紹介しました。
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崎川氏のこれまでの取り組み
崎川氏は朝日新聞社で約25年、国内外の広告営業に携わった後、経営企画室でコーポレート部門や社内情報共有のシステム開発部門を担当しました。2014年からは顧客データーベースプロジェクトの立ち上げや顧客IDの利活用といったマーケティング業務に携わりました。2017年にはザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン株式会社取締役CEOに就任、「ハフポスト日本版」はその後黒字化し、累損赤字も解消しています。
編集部門デジタル化の鍵は?
はじめに、崎川氏は「編集部門のデジタル化には、『UI(ユーザー・インターフェイス)』と『UX(ユーザー・エクスペリエンス)』を含む『CX(カスタマー・エクスペリエンス)』がポイントで、ユーザーや読者に与える経験を改善する為には、編集部を含む内側の組織能力、いわゆる『CX(コーポレート・トランスフォーメーション)』が重要になります。」と説明しました。
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コーポレート・トランスフォーメーションは、朝日新聞社の元社外取締役でJALの再生も手掛けたIGPIグループ会長の冨山和彦氏が提唱している概念で、崎川氏は「電機、自動車に続き、銀行、メディア業界も破壊的イノベーションの嵐に晒されることになりますが、その場合、デジタルトランスフォーメーションの成功の鍵は『戦略』ではなく組織にあり、組織を次々と変化できるようにすることが重要だということです。」と解説しました。