株式会社ABEJAと株式会社フジテレビジョンは、テレビCMのスポット広告における作案業務を自動化する「AI作案士」システムを共同開発し、実装しました。本システムの導入により、営業担当社員の業務工数の約8割を占めていたプランニング業務において、年間7,500時間の稼働削減を見込んでいます。
テレビ業界の課題に挑む
テレビCMのスポット広告とは、特定の番組を指定せず、テレビ局が設定する時間帯の枠を購入して放映されるCMを指します。スポット広告では、広告主が重視する時間帯、出稿量、ターゲット視聴者層などのニーズが多岐にわたり、さらに放送枠の組み合わせパターンも膨大であることから、放映枠の設計・調整が複雑になりやすい特性があります。
作案とは、これらのニーズを踏まえて放送スケジュール案を作成し、関係者との調整を経て放送スケジュールを確定する一連のプロセスです。テレビ業界において、当該業務は複雑ゆえに担当者の経験と勘に依存しやすく、業務の属人化の解消と効率化の実現が長年の課題となっていました。
過去5万件のデータを活用したシステム構築
こうした環境下において、フジテレビはABEJAと連携し、当該業務の属人化の解消と効率化の実現を目的に「AI作案士」システムを構築しました。本システムは、ABEJA Platformとフジテレビにおける過去約5万件に及ぶ実績データを用いて構築された、テレビCMのスポット広告の作案や調整・仕上げ業務を自動化するシステムです。
システムの構築において、ABEJAは現場のスポット広告枠の作案担当者の全業務プロセスや現状をヒアリングした上で、綿密な要件定義を策定することから着手しました。広告枠の在庫や視聴率動向、編成情報などをリアルタイムに反映し、広告主ごとの傾向やパターンを踏まえ、経験者の「勘」を高度に再現しながら、広告主のニーズに即した作案を実現します。
加えて、基幹業務システムである営業放送システムと連携することで、常に最新の情報に基づく精度の高いプランニングを可能にします。ABEJA及びフジテレビは、AIが作成した出力結果に作案担当者が修正を加える「Human in the Loop」を用いて、「AI作案士」システムを運用します。これにより、運用を通じた継続的な精度向上を図ります。

