「B Dash Camp 2021 Fall in Fukuoka」から考えるメディアの未来と今とは?分散型組織への対応

インターネット業界のトップランナーが集うB Dash Camp 2021 Fall in Fukuokaですが、新型コロナウイルスの影響もあり2年振りの開催。今回のテーマが「日本、待ったなし!」ということで、日本が持たざる国になりつつあり、警鐘を鳴らす意味もあったのではないかと感じ…

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インターネット業界のトップランナーが集うB Dash Camp 2021 Fall in Fukuokaですが、新型コロナウイルスの影響もあり2年振りの開催。今回のテーマが「日本、待ったなし!」ということで、日本が持たざる国になりつつあり、警鐘を鳴らす意味もあったのではないかと感じた。豪華なゲスト、新しく時代を切り拓こうとしているスタートアップの登場とメディアの方々にとっても大変学びのある会だったのではないか。

【セッション名】
ネット企業の成長はどこに向かうのか(2021秋編)

【登壇者】
▼スピーカー
家入一真氏(CAMPFIRE)
國光宏尚氏(Thirdverse/フィナンシェ)
佐藤航陽氏(スペースデータ/レット/メタップス)
辻庸介氏(マネーフォワード)
▼モデレーター
渡辺洋行氏(B Dash Ventures)

まず最初のセッションは「ネット企業の成長はどこに向かうのか 2021秋編」。渡辺氏より日本と海外との企業の時価総額、スタートアップ投資の金額差異について触れられ、アメリカだけでなく、中国との差も広がってきているとのこと。ユニコーンの数も日本で10前半、アメリカで300、中国で100を超えてきて、資金調達の差も中国でも20倍、30倍くらいになってきているとのことで、この状況下でどう戦っていくべきか、投げかけがあった。

マネーフォワード・辻氏からは「戦い方のルールが変わって来た。株主の半分以上が海外の機関投資家。彼らは、売上成長率やARRなどの指標も見る。そこに対応して戦っていくことも大切。ただし、このルールに従い続けているだけでは日本は勝つことができないし、自分たちの土俵で戦わないと勝てない。」と成長のためには投資家が重視するポイントに対応しながらも、日本全体を考える上では新しいルールを作るなどの必要性も訴えた。

スペースデータ・レット・佐藤氏は「今後10年で一番ホットな投資領域は仮想現実が挙げられるだろう。インターネットが二次元から三次元になる。そして、宇宙産業。いろんな衛星サービス、デブリなどの他、社会貢献性の高いSDGsなどのサービスが伸びていく。」と伸びていく市場についても語った。自身は「衛星データから現実そっくりなものを作るAIを開発していて、都市開発、建設開発に使われればデジタルツインに利用できる。」と、宇宙や仮想現実にも関連する事業を展開しているとのこと。

また、「日本のようなもたざるものの戦いがある。持つものができない、持たざるのがやれることをやるべき。現サービスの開発メンバーとは実際に会ったこともないし、声とTwitterのアイコンしか知らないで、完全に分散型の組織で成り立っている。」とのことで、中央集権型ではなく、分散型時代に対応した働き方を既に試しているとのこと。

gumi ファウンダー・國光氏は「サードバースというVR、フィナンシェというNFTなどの仮想通貨関連、Gumi Criptosという投資ファンドの3つの事業に取り組んでいて、海外にも投資をしている。その中で感じるのは起業家のレベルも技術のレベルも日本は負けてない。マーケットサイズが違っているだけ。」と日本の起業家、技術レベルに言及。

CAMPFIRE・家入氏は「グローバルのレイヤーで戦おうとすると、技術的にも負けてはならないみたいな物がある。一方でそうではない受け皿のプラットフォームをコミュニティをどう作っていくかを考えてきた。個人の時代と言われて自立分散がセットで、失敗したときの受け皿を国が小さくならざるおえない中で、民間としてずっとやってきた。」と自身が展開してきたサービスの背景を社会的文脈と併せて解説。

また、「個人の方が経済活動をできるようになり、それが行き過ぎると自己責任論が吹き割れる世界になってくるだろうな、と想像している。コミュニティがセットになってくるかなと思っていて、みんな一人で生きていけない中で、従来の国などに頼る必要があって、補助金、助成金が出なくなると、続かないみたいな状況もある。きれいな言葉でいうと互助の精神みたいなものを民間のプラットフォームでいかに実現するか。金融包摂的の仕組み、受け皿などを作れるかにフォーカスしている。」と、より分散型での働き方が進んでいくと、個人の責任論も重くなり、そこを手助けしながらも共に成長していく仕組みを作っていっているとのこと。

メディアに携わる身としては、日本の置かれている状況自体を把握し、報道していくことの大切さや、メディア自体の分散型組織での運営をどう試していくのかは非常に気にかかった。またマーケットとして伸びていく領域にどう寄り添い、メディアとしても事業としていかに取り組んでいくのか、情報ギャップを埋めていくことができるか、なども課題に感じた。警鐘を鳴らしつつも、メディア自体のモデルチェンジも待ったなしか。

B Dash Camp主催者で、B Dash Ventures 代表取締役社長渡辺洋行 氏
《浜崎 正己》

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浜崎 正己

メディアの立ち上げと運用を支援する(株)メディアインキュベート の代表。1988年千葉県生まれ。Twitter : https://twitter.com/masaki_hamasaki

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