株式会社電通グループが、世界59市場から収集したデータに基づき「世界の広告費成長率予測」を発表しました。データは、2021年は成長率実績の確定、2022年は予測の改定、2023年と2024年は新規予測となっています。
目次
2021年の広告費成長率は17.0%、デジタル広告は29.1%
2020年の成長率はコロナ禍の影響でマイナス7.1%となりましたが、2021年は17.0%と、大幅な回復・成長を示しました。デジタル広告の成長率は29.1%となり、構成比が初めて50%を超過。テレビ広告も、2010年以降では最高の7.9%を記録しています。
2022年もデジタルが牽引し、成長率は9.2%(7,450億ドル)と予測
デジタル広告が14.8%成長で全体を牽引することで、2022年の広告費成長率は実質GDP成長率(予測)を4.7%上回る9.2%と予測。同社はこの要因について、デジタル広告の浸透で生活者の広告へ接点が拡大したことにより、広告市場全体の回復・成長のスピードが加速したこととしています。
世界の全地域でプラス成長。急速な成長が見込まれるのは、インド、米国、ロシア、カナダ
2022年は、北米、アジア・パシフィック(日本含む)、西ヨーロッパ、ラテンアメリカ、中央および東ヨーロッパ、中東など、すべての地域でプラス成長の見通し。国別では、市場規模上位は、引き続き米国、中国、日本、英国、ドイツ、高い成長率が見込まれるのはインド、米国、ロシア、カナダとなっています。
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2022年に世界で広告費の成長が予測されるのは旅行業と(10.3%)と自動車関連(7.6%)
世界の広告費を牽引するデジタルは、媒体別では動画広告、コネクテッドTV、プログラマティック、eコマースなどにより14.8%成長し、2022年の広告費全体に占めるデジタルの割合は、初めてテレビの割合(26.9%)の2倍以上となる55.5%(4,080億米ドル)と見込まれています。
また、業種別で2022年に広告費の成長が予想されるのは、コロナ禍の反動が見込まれる旅行業(10.3%)と、成長市場で継続的な需要増とコロナ禍後の人々の移動手段としての自家用車の需要が見込まれる自動車関連(7.6%)とのことです。
2022年の日本の広告市場は、デジタル広告とテレビ広告の牽引により3.5%の成長を予測
2022年の日本の広告市場は、デジタル広告(7.2%)とテレビ広告(3.2%)の牽引により、3.5%の成長が予測されています。デジタルは前年に引き続きeコマースやソーシャル広告、動画広告での増加を予想。動画広告では、テレビ番組を視聴しない世代へのアプローチとなるスマートフォン向けの広告のほか、テレビデバイスで視聴するオンライン動画を対象とする広告の注目度が高まっていることから、コネクテッドTVの伸長が期待されるとのことです。