「プログラマティックOOH」国内本格始動 LIVE BOARD調査

株式会社 LIVE BOARDは、主にアメリカ・イギリス・オーストラリアなどの最新の動向や国内の調査・報道資料をベースにOOH市場についてまとめた「2023年OOH業界トレンド予測」を制作しました。 同社は、日本でのOOH市場の活性化を目指し、広告主や屋外・交通媒体社などに…

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 「プログラマティックOOH」国内本格始動 LIVE BOARD調査

株式会社 LIVE BOARDは、主にアメリカ・イギリス・オーストラリアなどの最新の動向や国内の調査・報道資料をベースにOOH市場についてまとめた「2023年OOH業界トレンド予測」を制作しました。

同社は、日本でのOOH市場の活性化を目指し、広告主や屋外・交通媒体社などに客観的で公正なメジャメント基準を作るため、グローバルなデジタルOOH業界団体・米国Digital Place Based Advertising Association(DPAA)スイスWorld OOH Organization(WOO)に参加し、国内でも一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアム(DSC)のワーキングメンバーとしてメジャメント標準化への取り組みを行っています。

同社は昨年末に配信した、2022年の「OOH業界のトレンドキーワード」調査リリースに加え、今回、「データ」「クリエイティブ」「メディア」という3つの視点から2023年の展開を予測しています。

トレンド予測では、2023年を「プログラマティックOOH」国内本格始動元年と位置付けています。「プログラマティックOOH」とは、Programmatic(Digital)Out Of Homeの略で、デジタルOOHがネットワーク化され、「データ(人の属性・エリア環境等)ベースの配信」「配信枠の一元管理」「メジャメント指標基準」を統合することで、効率的かつ効果的に広告配信を出し分けることができるとしています。

「データ」の点では、2022年にGoogleのディスプレイ&ビデオ360(DV360)はじめ、大手DSPからデジタルOOH広告在庫のプログラマティックな買い付けが開始されたことで、2023年は国内のプログラマティックOOHが本格始動。各社の配信事例が蓄積され効果が実感され始めるとともに、広告会社の認知が向上し運用面での課題も解消され、メジャーな配信手法として認知が向上していくとしています。また、OOHを含むメディア横断した広告プランニングが主流となり、広告主がテレビやデジタルで到達できるリーチに限界があることに気付き始め、OOHを含めた幅広く新しいメディアの活用が着目されます。広告会社では複数メディアを活用した広告をプランニングするにあたり、メディア間で比較可能なデータの需要が高まっていくとしています。さらに、OOHのプログラマティックな取引が増加し、各社でインプレッションをベースにした取引が加速するとともにメディア横断したプランニングの需要が高まっていくことで、OOHの視認者数を計測する手法の統一化が図られ、業界団体が牽引するメジャメント標準化への機運が高まります。

「クリエイティブ」の点では、eスポーツやアーティストの生配信などをOOHでもライブ配信の環境が整い、参加する個人・企業が増加。ライブ配信の特徴に加え、SNSとの連動などでOOHに更なるインタラクティブ性が加わる相乗効果が期待されます。また、22年はTwitterとOOHが連動するクリエイティブが多く登場しましたが、23年はTikTokやYouTubeなど、より広範なSNSとの連動した事例が登場することが予測されます。プログラマティックOOHでは天気や気温、時間など外部のデータに連動してクリエイティブの出し分けができるため、1つのキャンペーンでモーメントに応じた複数のクリエイティブが制作される機会が増加するとしています。

「メディア」の点では、 プログラマティックOOHの普及とともに、広告主からは屋外にいる生活者のあらゆる行動導線上でコンタクトポイントを持ちたいという需要がさらに加速し、-生活者の行動導線を捉えた様々な種類の媒体の開発が進むとしている。また、ヨーロッパでは既にOOHの省電力化はもとより、バス停看板の屋上を緑地化したり、バス停に養蜂場を設置するなど、CO2削減に向けた様々な取り組みが進んでいる。この動きは日本でも広がり、広告主は環境に配慮する企業を選んで広告の出稿先を選定していくとしている。さらに、若年層のテレビ離れ、デジタル・メディアの成長の鈍化、訪日外国人の増加なども含めた人流の回復、屋外・屋内・店舗内などのデジタルサイネージの増加、SNSとの親和性などの要因から、他のメディアと比べてOOHメディアの相対的な価値が向上するとしています。

《Nakashima Takeharu》

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Nakashima Takeharu

「佐賀経済新聞」編集長。県内で開催のアジア最大級の熱気球大会では広報・メディア対応とネットコミュニケーションを担当。

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