バーティカルメディア運営のポートは、外壁塗装のマッチングサイトである「外壁塗装の窓口」を運営する株式会社ドアーズを約16億円で買収すると発表しました。借入と社債発行で資金を調達します。
「外壁塗装の窓口」は外壁塗装を行いたいユーザーと施工業者を繋ぎ、送客や成約で収益を上げるマッチングサイトです。リフォーム市場のうち外装・屋根は6625億円(9%)の規模とれさていますが、「外壁塗装の窓口」では流通総額約40億円で、売上高8億1800万円、調整後EBITDA1億7300万円、加盟店数3658社という有数の規模を誇ります。
ユーザーにとって外壁塗装は何度も経験する事が少なく情報不足であり、施工業者を選ぶ事が難しい領域であると共に、施工業者にとっても小規模な事業者が多くユーザー獲得が難しい、下請けの場合は利益率が低い、などの課題があり、インターネットで情報の非対称性を解消し、マッチングを行うメリットが大きいとポートは指摘しています。
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また近年では自然災害が増加したことで外壁塗装のニーズが増加していて、新型コロナウイルスの影響で訪問営業が難しい事も「外壁塗装の窓口」には優位に働いているようです。直近6ヶ月でも売上高は前年同期比で20%の成長となっているそうです。
ポートでは前期、キャリアとファイナンスに注力するとして複数の事業を整理。一方で今回は第3の柱としてリフォーム領域に進出するとしました。リフォーム市場は6~7兆円で安定的に推移していて、情報の非対称性が低く、流行に左右されずらく安定的なコンテンツ運用が可能であると市場選定の理由が説明されています。
取得後はポートが得意とするSEOによる集客に着手し(現状はほぼゼロだという)、広告運用の最適化で利益率を向上させるほか、ランディングページ最適化や外壁塗装以外のサービス紹介によってクロスセルの実施で伸ばしたいとしています。顧客は他のリフォームにも関心がある可能性が高いことから内装や水回りなどへの横展開も検討しているということです。
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株式取得の16億円は、みずほ銀行から5~8.5億円を無担保で借り入れるほか、りそな銀行のSGGs推進私募債で7.5億円を調達して充てます。ドアーズも約2.5億円の手元資金を保有しているようです。