講談社でライツ・メディアビジネス本部の局次長を務める長崎亘宏氏が、出版社ビジネスの「棚卸し」をテーマに登壇しました。グローバルの先進事例からファンビジネスプラットフォーム「K2C」の立ち上げまで、メディアブランド、IP、ファンコミュニティという3つの資産をどう収益に変えていくかを、語りました。
記事の最後にはセッションのアーカイブ動画もあります。

テキスト系デジタル広告の停滞が映す構造変化
長崎氏はまず、電通が発表した「2025年 日本の広告費」のデータを独自に並べ替えた表を示しました。デジタル広告全体は伸長を続けているものの、新聞・雑誌由来のテキスト系デジタル広告は前年比を割り込んでいます。テレビ由来のデジタル広告はTVerを中心に807億円に達し、ECプラットフォーム広告も2444億円に成長する一方、マス4媒体はほぼ全てが前年割れという状況です。

インターネット広告全体が約4兆円の市場で、マス4媒体由来のデジタル広告は合わせても約1651億円に過ぎないと長崎氏は指摘しました。「日本のデジタル広告のメディアプランは寄っている」というのが、この数字から読み取れる現実だとしています。一方で、インターネット制作費が約5000億円存在する事にも触れ、この数字を頭に入れておいてほしいと強調していました。
海外事例に見るファンビジネスの可能性
長崎氏は一昨年、国際雑誌連合FIPPの本部を訪問した際に紹介されたという2つの事例を披露しました。一つはラグジュアリー誌「ハーパーズ バザー」UK版で、年会費42万円のコミュニティモデルでV字回復を遂げたメディアです。もう一つはスウェーデンの雑誌「マリーン」で、年会費35万円。「マリーン」の有料会員は2万人で、年会費だけで約70億円の収入を生み出しているとの事でした。









