世界的にオンラインのコマースが新型コロナウイルスの影響もあり成長しています。このコマースをメディアが取り入れていくためにはどうしたらいいか、逆にコマースとしてメディア的な要素を取り入れて進化していくにはどうしたらいいか、Media Innovationでは2ヶ月連続特集として「メディアのビジネスモデルとしてのコマース戦略」(9月)、「メディア化するコマースの戦略」(10月)をお届けします。
rakanu株式会社は「フレンチブルドッグライフ」「柴犬ライフ」「レトリーバーライフ」「ダックスフンドライフ」という犬種に特化した情報サイトを運営するユニークなメディア企業です。もともとは「フレンチブルドッグライフ」から始まり、次々に犬種のカバーを広げて事業を拡大しています。
同社では「フレブルライフストア」「柴犬ライフストア」という犬種に特化したECサイトも運営し、愛犬家たちから人気を集めています。さらに直近では犬のためのコラーゲンサプリメント「Ta-Ta(タータ)」を自社開発し販売を開始しました。これまでの広告モデルに加えて、今後はEコマースも重点を置いていくということです。
同社の創業者で代表取締役を務める湯川健太氏と、コマース事業を担当する三輪博之氏にお話を聞きました。
―――ペット、中でも犬、さらに犬種に特化した究極のバーティカルメディアを運営されています。どういった経緯で始まったのでしょうか?
湯川: もともとフレンチブルドッグを3頭飼ってる生粋のフレブル好きでして(笑)。一緒に暮らしている上で、色々な情報を調べようとするのですが、ペットや犬という括りのサイトは沢山あるのですが、実は犬と言っても犬種によって様々で実際にはひと括りには出来ないです。どう調べても自分の子に当てはまる情報に出会えず、それならいっそ自分で始めようと2016年にスタートしたのが「フレンチブルドッグライフ」でした。
犬種によって、かかりやすい病気も違いますし、飼い主の悩みも異なります。それに応えていくのが存在意義だと思っています。犬種を絞った事で、濃い読者が集まってきてくれて、おかげさまでクライアント様も満足してくれています。
最初はフレンチブルドッグから始まって、今は柴犬やレトリーバー、ダックスフンドに特化したサイトも立ち上げて徐々に広げていっています。日本でメジャーな犬種はまだ他にもありますが、飼い主の悩みが多い中型犬や大型犬を中心にカバーしていっています。また、そういう悩みの多い犬種ほどコミュニティが強固で、そういうコミュニティと一緒に成長できればと思っています。
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―――犬種に特化しているから並み居るペットメディアとは自然と差別化が出来ているということですね
湯川: そうですね。ユーザー層も、犬種によって全く異なっていて、ちゃんとその犬種を飼っている人に読んでいただいています。例えば、「フレンチブルドッグライフ」は30~40代の読者が中心で、対して「柴犬ライフ」は40~50代が中心です。スマホのOSを見ると、「フレンチブルドッグライフ」はiOSが中心で、逆に「柴犬ライフ」はAndroidが中心です。
僕もフレブル好きとしてフレンチブルドッグが好きなコミュニティに顔を出すのですが、何というか、やっぱり集まってる人たちはどことなく似ているんですね。フレンチブルドッグを飼ってる人はちょっと尖った変わり者が多い印象ですね(笑)。やっぱり、その犬を選ぶ理由があって、似てくる、それがサイトの読者層にも反映されていると思います。
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―――2019年6月にVOYAGE GROUPのグループとなりました。それによる変化はあったのでしょうか?