トランプ氏のツイッターのアカウント停止が問題を曖昧に、横行する国家によるSNS操作

本記事はThe Conversationに掲載された、イギリスのUniversity of Oxfordでデータサイエンスを専門とするHannah Bailey教授による記事「Trump’s Twitter ban obscures the real problem:state-backed manipulation is rampant on socialmedia」をCreative Commons…

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トランプ氏のツイッターのアカウント停止が問題を曖昧に、横行する国家によるSNS操作

本記事はThe Conversationに掲載された、イギリスのUniversity of Oxfordでデータサイエンスを専門とするHannah Bailey教授による記事「Trump’s Twitter ban obscures the real problem:state-backed manipulation is rampant on socialmedia」をCreative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、掲載するものです。

ドナルド・トランプ氏のSNSプラットフォームが削除されたことを受け、再び、オンライン上での情報検閲についての議論に火がつきました。しかしSNS上での誤情報や操作についての問題は、もはや1人のアカウントに関する問題にとどまるものではなくなり、予想を超えた広がりを見せています。

2016年から、私たち、オックスフォードインターネットインスティチュートは、デジタルツールがオンライン上での人々の行動に影響すると考え、地球規模における急速なSNS操作の蔓延を監視してきました。過去4年間、SNS操作はニッチな懸念から世界中のデモクラシーと人権を脅かすまでになったのです。

私たちの最近の報告によると組織化されたSNS操作は今や、世界中で当たり前になっています。2019年の70カ国からさらに増えて、2020年には81カ国で確認されました。以下のマップはその81カ国の世界的な分布を示していて、該当する場所は濃い青色で塗られています。

A map showing different countries highlighted in dark blue

私たちは、政府や軍また政党から成るSNS上で公共の意見を操作するために作られたチームである「サイバー軍」の使い方に焦点を当てました。サイバー軍は定期的に、私たちが「計算式によるプロバガンダ」と名付けた活動を行なっています。

計算式プロバガンダは、プログラムされたボットや、意図的に誤解を与えうる情報をインターネットに拡散する人間を利用し、ほとんどが業界規模で行われています。

そのために、計算式プロバガンダリストは幅広い誤情報のツールキットを活用します。政治的なボットではヘイトスピーチを拡大し、TwitterやFacebook上で政治的なメッセージがトレンドになっているかのような印象を与えます。データを違法に収集することにより、プロパガンダリストは、特定の弱者やグループに向けてメッセージを発信することができるようになります。一方、トロールの軍隊は、政治活動や報道の自由を抑圧するために定期的に配備されています。

2020年に、62カ国が、国家機関自身が世論形成のためにこれらのツールを利用していることを特定しました。また、本調査の対象となった他の国では、これらのツールは民間組織や外国のアクターによって利用されていることがわかりました。

誤情報拡散のための採用


《The Conversation》

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