Media Innovationの8月特集は「メディア業界のキャリア、これからどうなる?」をテーマに、業界のトップを走る皆さんが考えるこれからのキャリアについて聞きました。8月31日(火)にはイベントも開催予定です。奮ってご参加ください。
朝日新聞社で広告営業として経験を積み、同社とAOLの合弁会社だったザ・ハフィントン・ポスト・ジャハンの取締役CEOに就任し「ハフポスト日本版」の躍進を実現し、現在は春に合併したBuzzFeed JapanのCRO(Chief Revenue Officer)として活躍する崎川真澄氏。
インタビューの前編では広告営業の現場でどのような経験を積んでいったのかについて聞きましたが、後半では経営者としてメディア再生をどのように実現していったのか、いま考えるメディアのチャンスについて聞きました。
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BuzzFeed Japan株式会社 Chief Revenue Officer
1963年生まれ。1986年早稲田大学政治経済学部経済学科卒。同年朝日新聞社入社。広告局にて東京、大阪、福岡、NYにて勤務。その後、経営企画室、次世代システム開発プロジェクト、ブランド推進本部、顧客データベースプロジェクトを経て、マーケティング本部に所属。2017年5月にザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン株式会社の取締役CEO、2021年5月からは同社が合併したBuzzFeed Japan株式会社のCRO(Chief Revenue Officer)に就任。
目次
編集と営業のタッグでメディアの立て直しを実現
―――振り返ってみて、ハフポストを立て直す事ができたのは何が決め手だったのでしょうか?
実は経営不振から生じるAOLと朝日新聞のギクシャクもあり、私が着任する時には営業が1人を除いて全員辞めてしまって、ほぼゼロからのスタートでした。それが逆に良かったのかもしれません。
当時は、編集長として竹下氏(隆一郎、朝日新聞を経てハフポストに、現在はPIVOTを立ち上げ)が居て、そして広告部門のリーダーとして林氏(亜季、同じく朝日新聞からハフポストに、その後はフォーブスを経て現在はNewsPicks)が加わってくれました。優秀なメンバーに恵まれましたし、スタートアップのようにがむしゃらに仕事に取り組みました。
特に竹下編集長とは二人三脚でメディアの形を編集と営業が噛み合うように再設計していきました。もともとハフポストは「ダイバーシティ」をとても大事にしていたメディアで、そこに加えて「SDGs」や「働き方」を加えて、単に報道するだけでなく「企業と一緒に社会変革をしていく」とミッションを再定義することで、編集と営業の取り組むべき事が一致して強力なタッグを組めるようになりました。