LINEヤフーは、「Yahoo!ニュース」のコメント欄「ヤフコメ」に導入したAI「コメント添削モデル」の効果を発表しました。このAIモデルは、ユーザーが投稿する前にコメントの表現について見直しを提案するもので、2024年9月から導入されています。
検証の結果、本モデルの導入により、「不快と感じる可能性のあるコメント」の投稿が約24%減少したことが明らかになりました。また、AIが発動し修正されたコメントのうち、約50%が不快度の低いコメントに改善されたとのことです。
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「コメント添削モデル」は、コメントポリシーに違反するコメントや、違反には該当しないものの閲覧者が不快に感じる表現に対して、AIがユーザーのコメント投稿完了前に見直しを提案するシステムです。ユーザーの表現の自由を尊重しつつ、投稿前に表現を見直す機会を提供することを目的としています。
Yahoo!ニュースでは、ユーザーが多様な意見を共有し、新たな視点を得るきっかけを創出することを目指し、2007年から「ヤフコメ」を提供しています。一方で、サービスの健全化にも取り組んでおり、24時間体制の専門チームによる人的なパトロールや、複数のAIモデルを導入しています。
今回の検証では、「不適切投稿判定モデル」で不快度を点数化し、一定の点数以上のコメントを「不快なコメント」と定義し、提案を行いました。全体のコメント投稿数の傾向は変化せず、「不快なコメント」が減少しており、提案を受けてユーザーが自発的にコメントの見直しを実施し、「ヤフコメ」の健全化に寄与したことが示唆されています。
LINEヤフーは、「ヤフコメ」に投稿される多様な考えや意見によって、ユーザーがニュースに対する興味や多角的な視点を持つきっかけを提供するとともに、日本のインターネットにおける健全な言論空間を構築し、より良い社会の実現に向けて全力を尽くしていくとしています。
Yahoo!ニュースの取り組みは、AIを活用してインターネット上のコミュニケーションの質を向上させる試みです。今後、ユーザーコメントを表示する他のメディアやSNSプラットフォームにも、同様の取り組みが広がる可能性があり、オンライン上の健全な対話環境の構築に向けた動きが加速することが期待されます。