デジタルプラットフォームがメディア業界の構造を根本から変える中、YouTubeが発表した最新の経済効果レポートが注目を集めています。オックスフォード・エコノミクスの調査によると、YouTubeのクリエイターエコノミーは2024年に米国だけで550億ドル(約7兆5000億円)の経済効果を創出し、49万人のフルタイム雇用相当を支えました。
2年で57%という驚異的成長率
YouTubeのクリエイターエコノミーが示した成長ぶりは圧倒的です。2022年の350億ドルから2024年には550億ドルへと、わずか2年間で200億ドル(約57%)の増加を記録しました。この規模を国別GDPと比較すると、YouTubeのクリエイターエコノミーだけで世界88位の経済規模に相当します。
YouTubeのニール・モハンCEOは「この勢いを見据えて、次の20年間に向けて、クリエイターエコノミーはまだ始まったばかりです。次の20年間が何をもたらすかを見るのが楽しみです」とコメントしており、今後さらなる拡大が見込まれています。
700億ドルの収益分配が生む新しいエコシステム
YouTubeの競争力の源泉は、その革新的な収益分配システムにあります。同社は2024年1月までの3年間で、クリエイター、アーティスト、メディア企業に総額700億ドルを支払ったと発表しています。
現在のシステムでは、長編動画の広告収益とYouTube Premium収益の55%以上をクリエイターに分配しています。これは従来のメディア業界では考えられない高い分配率です。
そしてこのエコシステムから、新たなメディアが続々と誕生しています。