株式会社ベクトルは2026年10月15日、2027年2月期第2四半期(中間期)決算を発表しました。売上高は328億7700万円(前年同期比10.5%増)、営業利益は53億100万円(同42.1%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は36億4400万円(同106.4%増)となり、増収増益に加えて大幅な増益率を記録しました。
通期業績予想は売上高680億円、営業利益100億円を据え置いており、上期時点での進捗率は53.0%と計画を上回るペースで推移しています(決算説明資料)。
同社は戦略PRサービスを起点に、低価格でスピーディーにモノを広めるという考え方を基軸に据え、多様な産業セクターに顧客基盤を分散させることで、特定業種の環境変化に業績が左右されにくいポートフォリオを形成してきたとしています。中東情勢など外部環境のリスクが続く中でも、分散型の事業構造が業績の安定に寄与しているとの認識を示しました。
PR・広告事業はSNS領域のM&Aでサービス拡充
主力のPR・広告事業は売上高178億900万円(前年同期比10.1%増)、営業利益26億5900万円(同21.0%増)と、第2四半期として過去最高の売上高・売上総利益・営業利益を更新しました。
背景には戦略PR事業とタクシー車内のIoTサイネージ事業の好調に加え、生活者の可処分時間シェアが拡大しているSNS領域でのM&Aを通じたサービス拡充があります。同社が掲げる「FAST COMPANY」構想のもと、顧客のコミュニケーション戦略をワンストップで支える体制強化を進めている格好です。

プレスリリース配信事業(PR TIMES)は売上高50億4900万円(前年同期比8.0%増)、営業利益17億5100万円(同7.4%減)でした。利用企業数は13万3000社を突破し、配信数も四半期として過去最高を更新する一方、販管費を計画通り執行したことで営業利益は想定水準にとどまっています。
ダイレクトマーケティングは広告投資加速も吸収しきれず
ダイレクトマーケティング事業は売上高90億9900万円(同21.9%増)、営業利益4億9200万円(前年同期は1億2600万円の営業損失)と黒字転換しました。ビタブリッドジャパンの新規顧客獲得とEC以外の販路拡大、美容家電卸のJapan entryによる「Brighte SHOWER DRYER」の好調が寄与しています。
第2四半期に広告投資を加速させましたが、第1四半期の未執行分を吸収するには至らず、増益幅は計画対比で抑えられた形です。なお、ビタブリッドジャパンは2026年4月に東京証券取引所グロース市場へ新規上場しています。

HR事業は前期末に子会社あしたのチームを連結除外したことで売上高は5億900万円(同65.2%減)と大幅減収となりましたが、採用プラットフォーム「JOBTV」単体の事業に集約されたことで営業利益は2300万円の黒字(前年同期は5900万円の損失)と3四半期連続の黒字を達成しました。
「JOBTV」は2026年4月に全面リニューアルし、SNSとショート動画、対面型採用イベントを組み合わせた集客エコシステムを構築したことが、好調な販売推移につながったとしています。

投資事業は保有株式の一部売却により売上高5億4000万円、営業利益3億7400万円を確保しました。スタートアップ市場の環境悪化を踏まえ、従来のIPO型投資に加えてソロプレナーへの投資領域拡張も進めています。

今後の方針
会社側は、セグメント別利益計画の進捗について、主力のPR・広告事業とプレスリリース配信事業が順調に積み上がっているとした上で、投資事業については通期の連結利益進捗を見ながら株式売却のタイミングを判断する方針を示しています。インターネット広告費が拡大を続ける市場環境を踏まえ、デジタル領域、特にSNS関連のサービス強化を目的としたグループ基盤強化の取り組みを今後も続けるとしています。






