3者が明らかにする日中インフルエンサー市場のいま・・・日本人にも大きなチャンスが

1月31日、株式会社メディアインキュベートは東京・渋谷の朝日新聞社メディアラボ渋谷分室にてセミナー「WEBメディア関係者・マーケター向けデジタルナイト」を開催しました。 第3回目となる今回のテーマは「メディアとインフルエンサーと中華圏」。その第1部では「日中…

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1月31日、株式会社メディアインキュベートは東京・渋谷の朝日新聞社メディアラボ渋谷分室にてセミナー「WEBメディア関係者・マーケター向けデジタルナイト」を開催しました。

第3回目となる今回のテーマは「メディアとインフルエンサーと中華圏」。その第1部では「日中におけるF1層に向けたインフルエンサーマーケティング市場」を議題に、3人の講師がそれぞれの視点から講演を行いました。

日本人インフルエンサーにもチャンスはある――中国インフルエンサー市場の今

最初に登壇したVstarJapan株式会社 代表取締役社長の番匠達也氏は、中国インフルエンサー市場の今を解説。中国のインフルエンサーが利用しているSNSは「Weibo」、「WeChat」、「RED」、「ドウイン」、「ビリビリ動画」に大別されるとのことです。

さらに番匠氏は、今勢いがあるプラットフォームとして「ドウイン」を、日本と相性がいいものとして「ビリビリ動画」を挙げました。これは余談となりますが「ビリビリ動画」というサービス名は、日本の人気作品にちなんで付けられたものです。そうした背景もあってか「(アニメや漫画のような)二次元コンテンツを好む人が多く利用している」と番匠氏は補足しました。

中国におけるインフルエンサーの数は、3年ほど前から上昇傾向にあります。インフルエンサーたちがアプローチできるユーザーの数は5.88億人。中国全体のインターネットユーザー数は8億人と見られていますので、インフルエンサーたちはその70%に訴求できるということになります。

中国インフルエンサー市場の一番大きな特徴は「YouTubeがない」というもの。それによりインフルエンサーたちの収益源は広告からの案件や、自分で何かを作って販売するECがメインとなり、それが全体の約40%を占めています。

特に強いのはファッション分野。1人で活動するのではなく5人、10人でチームや組織を作り、デザイナーや縫製する工場による縫製、配送までをすべて行っているようです。自社ブランドを抱えるコマース型インフルエンサー・雪梨さんは500万人以上のファンを持ち、2015年時点で年商25億円を超えているとのことです。

中国では毎年11月11日を「独身の日」とされていますが、ECサイトが独身者向けにセールを行ったことをきっかけにして数年でEC一斉大セールの日として定着。この日1日の取引総額が5兆円にものぼっているそうです。

近年では日本のタレントやYouTuberも進出。今、中国でもっともブレイクしている日本のアーティストといえば7人からなるダンス&ボーカルユニット「GENERATIONS from EXILE TRIBE」で、なかでもボーカルの片寄涼太さんの人気が絶大なものとのことです。また、構図としては「中国の文化を体験している/コンテンツをカバーしている日本人」というものが受け入れられやすく、中国だけで活動している日本人インフルエンサーも出てきています。

番匠氏は最後に「中国インフルエンサー市場はコマースの比率が非常に大きく、”自分で作って売る”というスタイルはこれからも伸びていきそう。そして、そこには日本人のインフルエンサーも入る余地がある」とまとめました。

日本におけるインフルエンサーマーケティング市場の概要とリスク

2人目の講師は株式会社メディアインキュベート 副社長兼、株式会社Omnibus代表取締役社長の鬼澤絵美氏。国内のインフルエンサー市場についての講演が行われました。

まず前提として、鬼澤氏はインフルエンサーマーケティングを「SNSなどの”個人のフィルター”を通して、消費者に対して企業のブランドメッセージや商品/サービスの魅力を浸透・拡散させるマーケティング手法」であると解説。その影響力に関しては、インフルエンサーの投稿をチェックしているファンのうち、約78%がその投稿に影響を受けて何かしらのアクションを起こすとしました。

インフルエンサーに分類される系統は、芸能人、モデル、フォトグラファー、クリエイター、美容や理容などの職人などが挙げられ、最も多いのは1000~10000程度のフォロワーを持つ読者モデルや一般人たち。その系統により、訴求できる層や人数が大きく変わるので、起用する側に正しい認識や理解が必要とされます。


その活用方法としては、サンプル品を供与してSNSにクチコミ投稿をしてもらう、モデルとしてキャスティングしイメージ撮影に協力してもらう、プレミアムイベントに招待するといったものが挙げられました。また、クローズドの座談会を開いて商品を使った率直な感想や改善点をヒアリングし、それを次の商品開発に生かすという一般ユーザーの目に見えないところで協力をあおぐ例もあるそうです。

インフルエンサーへのアサイン手段は「プラットフォームなどを通じて直接アサイン」、「広告代理店を通す」、「インフルエンサーマーケティング会社を通す」、「芸能事務所やキャスティング会社を通す」など。鬼澤氏は低コストではあるが、直接アサインするのだけはやめた方がよいと強調します。「何からの”炎上”を起こしたり、イベントをドタキャンされたりというリスクが上がってしまうからです」。

ではどのような代理店や企業を通すのがよいかという話になりますが、これも「ここだから安心」という解はないのが実情とのこと。「どこに依頼するかより、どんな担当者が付いてくれるかが明暗を分けます。しかし、有能な人であっても案件を抱えすぎでケアがおろそかになってしまったりということもありますので、どのような担当がいいかというのも一概に言えないが難しいところです」。

また、アサインする人数も、余裕を持たせておくのが大切とのこと。「ママさんインフルエンサーがご家庭の事情でどうしても来られなくなるなど、不測の事態は必ず起きるものです。絶対に確保したい人数をあらかじめ決めておきましょう。それが10人であれば、13~14人アサインしておけばそうしたリスクは避けられます」。

鬼澤氏は最後に「インフルエンサーを起用して何かのアンバサダーになってもらうという手法も成功に導くのが難しく、今後は逆にアンバサダーの中からインフルエンサーを生み出すという流れが生まれてくるかもしれません。最後に、これからこの業界で事業を始めたいという方は、必ずインフルエンサーマーケティングの経験が豊富な方と組んでください」と締めくくりました。

toB利用に特化したFacebook活用術

最後に登壇したのは、CXOバンク株式会社 代表取締役社長の中村一之氏。集客をFacebookのみで行い、運用から5年で年間1億円相当のtoB案件を取るに至ったという中村氏は、Facebookの活用法を以下のように紹介しました。

一番重要なことは”経営者友達が多い人とつながる”ことだと中村氏は強調します。「友人とは、Facebookでつながる必要はありません。僕は学生時代からの友人は、きちんと理由も話して全員LINEに移管しました」。

具体的な投稿内容に入る前に、プロフィールにもポイントが4つあります。「まずは顔写真。これは自分が映ったものを使用してください。背景写真はビジネスを絡めたもので。自社のロゴなどが入っているものなどがいいですね。プロフィール文章は公開設定にし、会社名と役職を記載しましょう。趣味などは書かなくてよいです。また、出身校や出身地は書き、逆に誕生日は書かないでください」。

中村氏は誕生日を秘匿する理由を以下のように語ります。「誕生日、これは年に一度のビッグチャンスです。その日になったら「誰それにお祝いしてもらいました」という誕生日記事を必ず自分で書いて公開してください。記事を見た人たちは、いいねを押したりお祝いのコメントをくれたりします。

これが一番拡散するんです。”いいね一つにつき、7人に拡散される”なんて言われているくらいですから。だからこそ、プロフィールでは非公開にしてください。プロフィールに誕生日を記載して、当日に(プライベートの)友人たちからお祝いのコメントをもらっても仕事は取れません。それよりは自分で記事を書き、宣伝したいもののURLなどを添えましょう」。

Facebookで作る友達は1日3人、1年で1000人が目標。マッチングアプリの「yenta」、Facebookのイベントや経営者グループの友達リクエストなどを通して、役員以上の人に申請をしていきます。「この時、営業じみた文章を書くのは絶対にNGです。3行くらいで丁寧なあいさつを述べれば、それで十分です」。

記事については、いかに”見る人を飽きさせない”かがポイントとのこと。「仕事のことだけではダメです。8:2くらいの割合で、プライベートな記事も少しまぜましょう。また、一週間のうち3~4日は自分が映っている写真を使いましょう。ただし自撮りはダメです。何人かで映っているものがいいですね。Facebookはスマートフォンで見る人が大半ですので、写真は必ず横向きに取り、長文は3行で改行を入れる。どうすればスマートフォンで見やすくなるかを考えましょう」。

自身のテクニックを惜しみなく披露した中村氏は「記事をアップしないことは機会損失だと思ってください。また、Facebookは継続しなければ意味がありません。とにかく継続的に取り組んでください」と、持続的に取り組んでいくことの大切さを強調し、講演をまとめました。

《蚩尤》

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