6月15日、FOX Entertainmentとエミー賞獲得歴のあるアニメ制作会社Bento Box Entertainmentが、共同でBlockchain Creative Labsを立ち上げ、NFT(Non-Fungible Token)市場に参入することが発表されました。ブロックチェーンを利用し、デジタルデータに唯一無二の価値を持たせるNFTは、クリエイティブ分野で爆発的な広がりを見せています。Blockchain Creative Labsは、このNFTを用いたエンドツーエンドのブロックチェーンエコシステムをクリエイターなどに提供します。これにより、NFTコンテンツを同システム上で販売管理することが可能となります。さらに、NFTに関わる1億ドル規模のクリエイターファンドを設立することも発表されています。
注目が集まるNFT
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NFT(Non-Fungible Token)とは、暗号通貨で使われているブロックチェーン技術を使って作られる代替不可能なデジタルデータです。このNFTは2021年に入ってから爆発的に普及しており、特にアート、音楽、ゲームなどのクリエイティブ分野で注目を集めています。というのも、代替不可なNFTはコピーができない唯一無二のデータとなるため、デジタルコンテンツにおいて困難であった一点ものやオリジナル品を提供できるためです。NFTを利用したコンテンツサービスとしてDapper Labsが運営するゲーム向けのブロックチェーンFlowがあります。このFlow上で運営されているNBA Top Shotでは、NBA選手のトレーディングカードがNFTとなっています。
FOX傘下のBlockchain Creative Labs
FOXとBento Boxが立ち上げたBlockchain Creative Labsは、FOX傘下のビジネス・クリエイティブ部門という位置付けとなっており、そのCEOは、Bento Boxの共同設立者であるScott Greenberg氏が務めます。この部門の目下の役割は、NFTを利用したエンドツーエンドのブロックチェーンエコシステムをクリエイター、知的財産保有者、広告パートナーへ提供することとなっています。このシステム上では、NFTを利用したコンテンツやエクスペリエンス、デジタルグッズを販売管理することができるため、新しいクリエイティブな方法でイノベーターやアーティストを支援することができると言います。これに加えて、1億ドル規模のクリエイターファンドも立ち上げられ、NFT市場におけるクリエイター支援を加速しつつ、その成長機会を見極めていくことも宣言されています。
世界初のブロックチェーンキュレーションアニメ
Bento Boxは2009年に設立された米国のアニメ制作会社であり、2019年にFoxによる買収でその傘下に入ることとなりました。代表作には2011年から続くBob’s Burgersがあり、複数のエミー賞受賞経験もあります。今回のNFT市場参入において、新たなコメディアニメKRAPOPOLISの制作も発表されています。これはブロックチェーンによって全面的にキュレーションされた世界初のアニメシリーズとなり、そのデジタルグッズをNFTで販売していくことも述べられています。デジタルグッズとして、キャラクターや背景のアート画像、GIF画像のほか、ソーシャルネットワーク上で特別な体験ができるトークンも含まれるようです。KRAPOPOLISはFOXが全面的に出資を行い、Bento Boxが制作を行う形となっています。
ゲーム、アニメなどクリエイティブ分野で急成長するNFTは、今後様々な業界で広まっていくことが予想できそ