今年もメディア業界は様々な事がありました。Media Innovationではいつもお世話になっている業界関係者の皆様に「2021年の振り返りと、2022年のメディア業界」というテーマで寄稿をお願いしました。年始にかけて順次掲載して参ります。いろいろな振り返りから、皆さんが2022年を考えるきっかけにしてもらえればと思います。
fluct代表取締役を経て20年にVOYAGE GROUP取締役、21年にサイバー・コミュニケーションズ取締役及び100万円から出稿可能な運用型テレビCMプラットフォーム「テレシー」の代表取締役を務める土井健氏にメディア業界の2021年の振り返りと2022年への展望を聞きました。
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目次
今年のご自身の仕事を振り返っていかがだったでしょうか?
10年以上身を置いてきたネット広告領域から飛び出し、全くお作法の違うテレビCM、オフライン広告領域に飛び込むという非常に変化に富んだ一年でした。
ネット広告での当たり前が、テレビCM、オフライン広告の世界では全然当たり前ではないという事実と、一方で、アプローチの仕方さえ変えれば十分やりようのある領域であることも身をもって感じました。
テレシーという会社を今年の1月1日に設立したのですが、おかげさまで1年間で売上70倍、Q売上9億突破という急激な成長を遂げることができました。また、期の途中から新たに扱い始めたタクシー広告、エレベーター広告もともに代理店として販売額日本一になるなど、できすぎな1年でした。
ネット広告での当たり前をできるかぎりテレビCM、オフライン広告領域に持ち込み、その価値を多くの広告主の方にご理解いただき、実際にお取引をしてご満足いただけたことで、垂直に事業が立ち上がったのではないかなと思っております。
今年一番注目した出来事は何だったでしょうか?
オフラインメディアの価値の再発掘と勃興だと思います。運用型テレビCMプラットフォーム、タクシーサイネージ広告、エレベーター広告など、これまで違った形で存在していたオフラインメディアが今の時代に合う形で改めて市場に届けられた1年だったのではないでしょうか。
テレビCMであれば、今まで事細かに見られていなかった直接的な効果を細部まで可視化することができるようになりました。タクシーサイネージ広告も、これまでチラシが置かれていた場所がデジタルサイネージに変わり、分かりやすく決裁者にアプローチできるメディアとして認識されるようになりました。
その結果、企業の役員や決裁者にドンピシャでアプローチできるメディアとして、我々テレシー含む多くのB2B企業がこぞってタクシーサイネージ広告に出稿しました。
また、エレベーター広告の登場も見逃せないポイントです。中国では、フォーカスメディアというエレベーター広告を取り扱う企業が、CCTVという国営放送に次ぐ2位の売上高を誇るほど有力な媒体で、日本でも同様に今年一年で大きな広がりをみせました。
タクシーでは分かりやすく決裁者にアプローチができる一方で、エレベーターはそのビルに入っている企業の担当者の方から社長まで幅広いレイヤーに届けられるという特徴があるので、理解に少し時間がかかる商材や、導入後の利用率が売上に直結する商材にはもってこいのメディアとなっています。
2021年の出来事で、今後の焦点となりそうな事は何だと思いますか?
オフラインメディアのDXが非常に大きいように思います。我々が展開する運用型テレビCMプラットフォームを筆頭に、オフラインメディアの効果の可視化と実施ハードルを下げたことでしょうか。それにより、より多くの広告主の皆さまにとって、プロモーションする上での新しい選択肢ができたのではないかと思っております。
これまでプロモーション手段としてテレビCMを検討にすらいれていなかった広告主の方々が、テレシーを通じてテレビCMをうまく利用することで、飛躍的に事業成長を遂げるお手伝いを複数の企業さまでさせていただきました。
ハードルを下げ、効果を可視化することで、2022年はさらに多くの企業の事業成長に伴走していけると確信しています。
2022年への意気込みを聞かせてください
オフラインメディアを今の時代に合ったかたちで料理し、プロダクトと事業を磨くことで今年急成長したテレシーですが、来年はさらに次のステージに向かいます。
まず、2021年はビジネスサイド主導で成長を牽引してきましたが、2022年はプロダクトの大幅進化により、新たな顧客開拓とビジネスモデルを創る予定です。また、国内だけではなく、海外へ進出するための土台づくりの1年にしたいと考えております。
多種多様な広告主の皆さまの事業成長を実現するために、2021年に感じた手応えと伸びしろをプロダクトと事業に最速で落とし込み、日本経済活性化に貢献できるような会社へと進化していきたいと思っております。