ローカル領域での検索が当たり前に、ONE COMPATH早川社長・・・メディア業界2022年への展望(12)

今年もメディア業界は様々な事がありました。Media Innovationではいつもお世話になっている業界関係者の皆様に「2021年の振り返りと、2022年のメディア業界」というテーマで寄稿をお願いしました。年始にかけて順次掲載して参ります。いろいろな振り返りから、皆さんが…

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今年もメディア業界は様々な事がありました。Media Innovationではいつもお世話になっている業界関係者の皆様に「2021年の振り返りと、2022年のメディア業界」というテーマで寄稿をお願いしました。年始にかけて順次掲載して参ります。いろいろな振り返りから、皆さんが2022年を考えるきっかけにしてもらえればと思います。

マピオン、Shufoo!、そして新規事業として伸びつつあるaruku&(あるくと)など、凸版印刷グループでデジタル事業を展開するONE COMPATH。新型コロナウイルスの影響も受けながら、ローカルでの情報ニーズの高まりも背景に成長を模索しています。そんなONE COMPATHの早川社長に今年の抱負を聞きました。

早川 礼
株式会社ONE COMPATH 代表取締役社長CEO
2000年、凸版印刷株式会社入社。商業印刷事業部の営業として旅行代理店を担当した後、2006年に凸版印刷、株式会社博報堂、デジタル・アドバタイジング・コン ソーシアム株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社による合弁会社である株式会社BrandXing(現 博報堂ダイレクト)に出向し、企業や商品ブランディング、商品開発、ECサイトの立ち上げ支援など幅広い業務を経験。2011年に凸版印刷に帰任し、電子チラシサービス「Shufoo!」事業において主に広報・プロモーションや新規事業を担当。2019年4月より現職。

今年のご自身の仕事を振り返っていかがだったでしょうか?

引き続きコロナに少なからずの影響を受けながらの大変な1年でしたが、事業のトピックとしては2点あります。

aruku&というウォーキングアプリの事業が大きく成長しました。トリマやMilesといった移動にポイントや金銭に近い価値を与えるアプリが話題になった年でもありますが、コロナでの外出自粛、運動不足といった背景から、健康経営やコミュニティという独自の切り口で価値を提供できる手ごたえを作れた年となりました。

また、LocalONEという新サービスを発表しました。Shufoo!やオウンドメディアの支援に次ぐ店舗保有企業向けのSAASビジネスで、movの渡辺CEOという素晴らしいパートナーに出会えたことで、一気にプロジェクトが加速しました。お店に関する情報の一元管理を基盤としながら、口コミを活用した店舗課題の可視化でお店と生活者の距離を縮めることを事業の提供価値としています。ニューズピックスグループ主催のイベントで、今年の1000件の協業リリースの中で、最も注目すべき3件としてとりあげていただいたのも印象的でした。

どちらも来年の飛躍に期待を持てるトピックとなりました。

今年一番注目した出来事は何だったでしょうか?

ローカル情報の検索行動の加速です。

グーグルマップのお店情報を使うこと、増えていませんか?

数年前から、グーグルマップの利用促進のCMがTVやYOUTUBEでガンガン流れたり、飲食店の選定にグーグルマップの口コミを活用する人が増えたというニュースを目にすることが

増えてきましたが、2021年はそれが加速した印象があります。

生活者の動きに関しては、我々の調査でも、飲食店だけでなく、他の業態でもグーグルマップを確認してお店に行くという行為がかなり一般的になってきていることがわかりました。スーパー、ドラッグストア、ホームセンタ―等の情報収集にも活用されています。

また、それに合わせて企業側もグーグルマップの情報を整備したり、積極的に情報発信の場に活用したりするような動きが見えてきました。われわれの実証実験でも、グーグルマップにチラシ情報を掲載することで来店につながる動きに好影響があることが分かっています。

コロナウイルスの流行もこの流れを後押ししていると感じます。多くの人が多くのサービスで半強制的にオンラインシフトを経験しました。「検索すると答えが得られる」という意識と行動がローカル領域についても、もっともっと当たり前になっていくでしょう。

企業とすると今後はリアルのタッチポイントは前提としながら、オウンドメディア、LINEやfacebook等の企業アカウント、当社のShufoo!のようなバーティカルメディア、そしてグーグルマップ、この辺りのデジタル接点をいかに効率的に、そして来店や購買といったコンバージョンまで含めたPDCAを回せる運用体制を整備することが重要になっていくと思います。

また、個人的にはこのローカル領域に対して、グーグル優勢のなかでZホールディングスがどのように対抗軸を創っていくのかは非常に興味があります。

2022年への意気込みを聞かせてください

コロナを経て人々の暮らしが大きく変わるタイミングだからこそ、「暮らしに新しい文化を創る」当社のミッションを具現化する年にします。

Shufoo!は20周年、マピオンは今年25周年を迎える事業となりました。長く続くことも重要ですが、社会に価値を提供し続けるために変化を起こしていきます。

前述のaruku&は地図や位置情報を取り扱うテクノロジーを活用した事業です。また、LocalONEはShufoo!やMapionBizの店舗情報のデジタル化のノウハウを活用した事業です。

このように経営資産に新たな視点や社会課題をかけ合わせながら、自社発だけでなく、他の企業の皆様との協業や資本提携を仕掛けながら用の中に新しい価値を創っていきたいと思います。

是非一緒に新しい文化を創りましょう。遠慮なくお声がけください。

《Manabu Tsuchimoto》

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Manabu Tsuchimoto

Manabu Tsuchimoto

デジタルメディア大好きな「Media Innovation」の責任者。株式会社イード。1984年山口県生まれ。2000年に個人でゲームメディアを立ち上げ、その後売却。いまはイードでデジタルメディアの業務全般に携わっています。

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