「メディア企業における技術組織の立ち上げ」メディアのげんざい・大西隆幸 氏・・・2023年のメディア業界展望(8)

2023年はメディア業界にとってどのような一年になるでしょうか? Media Innovationに縁を持っていただいた皆様に、2022年の振り返りと、2023年に向けての展望を伺いました。

大西隆幸 氏
KODANSHAtech合同会社 ディレクター
個人メディア「Publida」「メディアのげんざい」を運営。
株式会社ブクログの取締役、株式会社メディアドゥの新規事業と子会社が運営するマンガ図書館ZのPMを経て、2020年よりKODANSHAtech合同会社のディレクター。副業で出版社のメディアコンサルティングを行う。

2022年の仕事を振り返ってみて、いかがでしたか

私は講談社の子会社であるKODANSHAtechの仕事、メディアのコンサルティング、自身でニュースレターとポッドキャストの配信を副業としておこなっています。

KODANSHAtechの仕事では、夏頃に担当メディアのドメイン変更がありました。大きな変更でしたが、年初から準備していたことで大きな問題もなく終われたことで安心しました。
また、基本的に全社員がリモート勤務のため、コミュニケーション促進のために社内限定のポッドキャストの企画編集をおこないました。メンバーにゲスト出演してもらい、仕事の考え方や個人的な話など語ってもらう内容です。そうした取り組みにより、仕事がしやすくなったというフィードバックをもらい、手ごたえがある取り組みでした。
そのほかに、協力会社さんに入ってもらいUXリサーチを社内で実施できるように体制構築や勉強会などを実施しました。詳細は協力会社さんであるポップインサイトさんのサイトの記事をご覧いただくのが良いですが、この取り組みで横断的に取り組み、新機能をリリース前にユーザに評価してもらい、事前に課題点を潰したりカイゼンができました。

メディアコンサルティングの仕事では、クライアントのメディア戦略の練り直しのため、ユーザリサーチや定量的な調査などを実施して、それによりコンテンツ戦略がはっきりとしました。

今年から始めたニュースレター「Publidia」やポッドキャスト「メディアのげんざい」については、ありがたいことに業界内で購読いただいてる方も少しずつ増えてきました。
また、先日SmartNewsさんのメディアで運営方法について寄稿しました。

メディア運営側としては、プラットフォーマーからの流入で影響がある事案が多数あり厳しい状況でした。そうした中では、プラットフォームに頼らず自社メディアにきてくるユーザの必要性を感じました。自社メディアを継続的に読む理由、便益などをしっかり定義していく必要があると感じました。

2022年のメディア業界で印象に残ったことを教えてください

新聞各社がポッドキャストを始めたことが印象的でした。
毎日新聞、読売新聞が新しくポッドキャストを始めたことで、五大紙すべてが音声配信をやっている状態です。
特に印象深いのが、毎日新聞ポッドキャスト「今夜、BluePostで」で朝日新聞ポッドキャスト担当の方とコラボレーションをおこなったことです。新聞社がなぜポッドキャストをやる理由について語られています。

また、パブリッシャーが技術を組織に取り込む事例が増えたことも印象的でした。
文藝春秋のBunshun Tech ZEROのスタート、朝日新聞社は社外CTOとして元MIXI執行役員の広木大地氏が就任などインパクトのあるニュースがありました。
KODANSHAtech同様に、技術組織の立ち上げが今後増えると良いなと感じます。

ただ、技術組織についてはエンジニアのカルチャー理解なども必要だと感じており、単純にハコを用意して求人すれば良いわけではないと感じています。
KODANSHAtechはGMの長尾が編集者でありエンジニアでもあり、初期入社したエンジニアのリファラル採用がうまくいったことなども成功の要因だと感じています。
そのため、朝日新聞のように外部CTOを招く手段も有効かもしれません。

2023年のメディア業界、ご自身の取り組みたい仕事について教えてください

定量的、定性的なアプローチで読者の理解を深めて、編集部にフィードバックができるようにしていきたいと考えています。また、余裕があればニュースレター「Publidia」でオンラインになるとは思いますが、イベントも開催してみたいと考えています。

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【12月6日更新】メディアのサブスクリプションを学ぶための記事まとめ

デジタルメディアの生き残りを賭けた戦略の中で世界的に注目を集めているサブスクリプション。月額の有料購読をしてもらい、会員IDを軸に読者との長期的な関係を構築。ウェブのコンテンツだけでなく、ポッドキャストやニュースレター、オンライン/オフラインのイベント事業などメディアの立体的なビジネスモデルをサブスクリプションを中核に組み立てていく流れもあります。

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浜崎 正己
浜崎 正己
メディアの立ち上げと運用を支援する(株)メディアインキュベート の代表。1988年千葉県生まれ。Twitter : https://twitter.com/masaki_hamasaki

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