映像コンテンツ・流通のマーケティング事業を総合的に手掛ける株式会社フィールドワークスと、映像メディア総合研究所合同会社が、全国5000人規模のネットアンケート調査を実施し、テレビ放送、映画館、DVD・ブルーレイ、有料・無料の動画配信など、すべての映像視聴メディア・サービスのユーザー利用実態を調査・分析し、3月15日にレポートを発行しました。
■YouTubeやTVerの利用拡大により無料動画の利用率が前年よりアップ、TikTokの10代の利用率が際立つ
映像メディアの利用率では(図①)、無料テレビ放送、映画館、DVD・ブルーレイ(BD)レンタルなどが前年から利用率を下げる一方、YouTubeなどの無料動画が前年から3ポイント、定額型見放題のSVODが2ポイント利用者割合を伸ばしました。
無料動画のなかで、特に前年からの伸びが大きかったのがTVerで、テレビ番組の見逃し配信の利用は着実に進んでいます。
また、今回から選択肢に加わったTikTokも10代の利用率が他の世代と比べ著しく高く、全体ではLINE LIVEを超える利用割合となりました。
SVODの利用率は14.3%となり、有料テレビ放送の16.2%にあと2ポイントと迫りました。これにレンタル型のTVODとデジタルセルを加えた有料動画配信全体の利用割合は17.7%となり、この割合はDVD・BDの購入と並びます。
一方、DVD・BDレンタルの利用率大幅減に対し、同じく映画などの新作を扱うTVODの伸びは緩慢で、レンタル、TVODを合わせた新作の需要は明らかに低減しています。
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■有料の動画配信の利用はAmazonプライム・ビデオが牽引
Amazonプライム・ビデオは、動画配信の有料利用者のうち48.2%が利用しており、他のサービスに比べ群を抜いて高い利用率となりました(図②)。これを調査対象全体における利用割合に置き換えると7.8%となりますが、Amazonプライム会員の特典として「無料の意識」で利用している人も加えると、この割合は12.8%となり(図③)、人口推計で1000万人を超えます。
Amazonに続く、他のサービスも着実に利用者を増やしてはいますが、Amazonとの利用率の差は年々広がっています。
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■調査概要
レポート名:映像メディアユーザー実態調査2019
調査目的:映像視聴メディア・サービス利用者の利用実態の把握
調査対象メディア・サービス:映画興行、無料・有料テレビ放送、DVD・ブルーレイのレンタル ・購入、無料動画サービス、定額型動画配信(SVOD)、レンタル型動画配信(TVOD)、デジタルデータでの動画販売(デジタルセル)
調査期間:2018年11月22日~11月28日
調査対象者:13 ~69歳の男女
調査エリア:全国
調査方法:インターネットアンケート調査
集計サンプル数:5021人