クラウドソーシング大手のランサーズ株式会社が東証マザーズの上場承認を受けました。上場日は12月16日。想定価格の900円から算出した上場時時価総額は約145億円(一の部)。
ランサーズは2008年に設立。同年12月にリリースしたクラウドソーシングサービスの「Lancers」が主力事業です。「Lancers」ではプラットフォーム上で企業と個人による直接マッチングの場を提供しているほか、フリーランス人材を紹介する「Lancers Agent」、大量・複雑な案件を一括したアウトソースする「Lancers Outsourcing」などの事業を展開しています。
同社では「Lancers」における流通総額、クライアント数、クライアント単価を重要なKPIとしていますが、いずれの数字も順調な成長を続けています。
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進行期の2020年3月期の第2四半期は、売上高15億4795万円、営業損失2億1484万円、経常損失2億1806万円、四半期純損失は2億2593万円と赤字上場となっています。
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上場に伴い約20億円を調達。広告宣伝費に大型投資をするほか、人材の拡充、それに伴うオフィス移転、借入金の返済などに充てるとしています。
短期的にはクラウドソーシングを中心に、オンラインでのスタッフィングにおいて圧倒的なポジションを確立し、大企業に積極的に社外人材の活用を促していくとしています。中長期的にはランサーやクライアントの仕事実績データを活用し、直接雇用を含めた雇用、人材活用や人材管理領域におけるサービス提供や、スコアリングを活用した周辺事業への進出などを検討していくとしています。また、M&Aによる獲得や、日本と同様に労働人口の減少や高齢化社会の進展という課題を抱える日本以外の国への進出も検討していくとのことです。
大株主は創業者の秋好陽介氏が56.79%を所有しているほか、グロービスが14.21%、KDDIが5.41%、パーソルHDが4.9%などとなっています。
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