デジタルに移行するローカルメディア、しかし苦戦は必至・・・貧しいコミュニティほど打撃

News Corp Australia社は112の郊外および地方紙(オーストラリアの地方紙の約5分の1)の印刷終了を発表した。そのうち36紙が廃刊され、76紙がデジタル移行されます。

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本記事はThe Conversationに掲載された、オーストリアのUniversity of Technology Sydneyでコミュニケーション学を専門とするChrisanthi Giotis教授による記事「Digital-onlylocal newspapers will struggle to serve the communities that need themmost」をCreative Commonsのライセンスおよび執筆者の翻訳許諾の下、掲載するものです。

News Corp Australia社は112の郊外および地方紙(オーストラリアの地方紙の約5分の1)の印刷終了を発表した。そのうち36紙が廃刊され、76紙がデジタル移行されます。

これに伴い、クイーンズランド州北部にあるHerbert River Expressのような小さな地方紙も廃刊されることになります。同紙の発行部数は、直近では「2,700部以上」とされていました。デジタル移行が進められているのは、1906年に設立されたシドニーのManly Dailyのような郊外のフリーペーパーです。最近では2017年には週に5回発行されていて、2018年からは週に2回発行されていました。

デジタル新聞が生き残ることができるかどうかはまだ分かりません。しかし、メディア変遷センターにおける私たちの研究では、デジタル地方紙がサービス提供の対象地域と調和することは難しいと考えられています。

読者と広告主の消失

印刷メディア全般と同様に、地方紙も読者と広告主がオンラインに移行していることを背景に経済的に苦しい状況にありました。新聞社の利益のほとんどは広告によるものだからです。こうしたビジネスモデルは、GoogleやFacebook、Gumtreeのような地方に特化したクラシファイドサイトによって苦境に立たされてきました。

「金の川」の喪失は、大都市圏の新聞よりも遅いペースで起こっていますが、地方紙の「砂漠化」は着実に進んでいるといえるでしょう。2018年までの10年間で、オーストラリアでは106の地方紙・地方紙が閉鎖され、21の地方自治体地方(地方では16)に地方紙が存在しない状態が続いています。

生き残った新聞社はスタッフを削減し、また記者は従来通りの報道ではなく、より多くの「コンテンツ」を生み出すことを期待されています。

ローカルメディアの「要」


《The Conversation》

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