中国発の総合音声サービスhimalayaは、現在中国で6億人以上のユーザーを抱えています。そのhimalayaを日本で展開するのがシマラヤジャパンです。2017年3月の設立以降、日本でもサービス拡大の勢いは止まりません。
2019年にも取材をしましたが、この2年間で音声市場は大きく変化を遂げました。新型コロナウィルスによる在宅時間の伸び、さらに新規音声プラットフォームの台頭など、日本で音声コンテンツの認知が急拡大した激動の時期でもあります。
音声市場全体を振り返りながら、himalaya初のサブスクリプションサービスであるオーディオブックの手ごたえ、クリエイターを育てる音声プラットフォームの在り方など、新たなフェーズへ到達したシマラヤジャパンに音声市場の今後を詳しく伺いました。
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1988年生まれ。2013年、中国外交部所属の大学である外交学院を修了。同年、日本のベンチャー企業クララオンラインの北京支社に入社。約3年間にわたって、数多くの日本企業の中国進出を支援。2016年、中国大手SNS企業Weibo(微博)の傘下企業である「微博動漫」の日本法人Weibo Comic株式会社を東京で立ち上げ、漫画、アニメ及び映画などに関する日中間のライセンシング及び共同制作などの事業を展開した。2018年10月、中国のユニコーン音声メディア企業「喜馬拉雅」の日本法人シマラヤジャパンのCEOに就任し、以来、日本における音声コンテンツ市場の発展に鋭意努力中。
―――ここ一年のご状況を教えてください。
総合音声プラットフォームとして展開を続けています。コンテンツも急拡大しており、オーディオブックやポッドキャストのラインナップが充実してきたのと同時に、ASMRなど新しいジャンルも開拓しています。昨年と比較し、リスナーは約2倍、クリエイターは約4倍に増加しました。1日の配信コンテンツ数は約10倍に増加しています。
―――配信者が増加した背景についてどう考えていますか?
新型コロナウイルスによって在宅時間が増え、可処分時間が著しく増えたことが大きな要因だと考えています。また近年芸能人やインフルセンサーが次々に音声コンテンツに参加したことで、認知自体が拡大したと考えています。新規に参入したクリエイターたちのジャンルは多様で、コンテンツの幅の広がりを実感します。
―――コンテンツの多様化により、ユーザー行動にも何か変化はありましたか?
コンテンツの幅が広がるほど、クリエイターもリスナーも好きなジャンルごとにコミュニティ形成を始めました。Twitterなどで交流し、より特定のコンテンツジャンルを多く聴取するようになってきています。
そこで新たなコンテンツにも触れ続けてもらう施策、新たに好きなジャンルを効率よく見つけてもらう試行錯誤をしています。具体的には新規クリエイターのコンテンツを見つけやすくするために新人ランキングを設け、新規クリエイターの露出を手助けしています。またコンテンツのなかに「評判が良い」「リラックスできる」といった、聴取データをもとにしたメタデータを追加することで、ジャンルを超えてコンテンツをレコメンドしています。
総合ランキングのアルゴリズムも修正しました。ランキングの計測対象期間を「直近1週間」に短縮して常にランキングの順位の変動をおこし、評価軸を増やして、より総合的な評価をユーザーに見られるように変更しました。
プラットフォームを拡大すると、日本ユーザーから「どこにフォーカスしているサービスなのか」としばしば指摘されます。そこでサービスごとにドメインを分け、例えばオーディオブックの聴き放題サービスでは独自のランディングページを展開し、なかでも人気のビジネスジャンルは独自のブランディングをおこなっています。良いコンテンツがたまっているジャンルをブランド提携のように関連させていく予定です。
―――オーディオブックサービスはhimalaya初のサブスクリプションサービスと伺いました。