誠文堂新光社が2015年に開設した「KoKa Shop!(コカショップ)」は、小中学生向けの科学雑誌「子供の科学」連動の物販サイトです。
連載記事と連動した運営により、雑誌の定期購読者数増加の推進力として、また会員ビジネスなど新規事業の基盤としても機能し始めています。 その事業展開について土舘建太郎コカネット編集長・KoKaShop!店長に聞きました。

―――まずは「子供の科学」という雑誌についてご説明いただけますか。
「子供の科学」は小中学生向けの科学の月刊誌として、大正13年(1924年)に創刊した雑誌です。2024年には創刊百周年を迎えます。
「研究者や専門家に聞いた科学のお話を、どこよりもおもしろく、わかりやすく解説する」という編集方針の下、小中学生が科学に興味を持つきっかけになるような記事を届け続けてきました。
―――「KoKa Shop!」はいつ頃立ちあげたものなんですか。
「KoKa Shop!」は2015年に「子供の科学」の記事の内容に沿った「科学教材を取り扱う物販サイト」として立ちあげました。主に記事で紹介した実験や工作に必要なパーツや実験器具などを販売しています。
立ちあげたきっかけでもあるんですが、電子工作に使うパーツなどを集めるのは、なかなか大変なんです。雑誌の記事を読んで、その通りにパーツを集めて電子工作を作ろうと思っても、電子パーツなど取扱い店が近くにはないということはよくあります。また、取扱い店が見つかっても、バラでは販売していなかったり、入手に時間がかかったりするケースもあります。手間のかかるその手配を編集部でまとめて行ってセット販売したら、読者はすぐに電子工作に取り組めますし、保護者が助かりますよね。
―――連載と連動した商品販売なら安定した売上が見込めそうですね。売れ筋はどういうものなんですか。
最初のヒット商品なったのが「ジブン専用パソコンキット」です。小型コンピューター「ラズベリーパイ」本体に、ディスプレイやキーボードなど必要なものをセットにして、子供たちが自由な発想で使えるパソコンとして2017年に発売しました。
「子供の科学」の連載では「スクラッチ」や「マインクラフトパイ」など子供たちの人気が高いプログラミングツールの使い方を中心に紹介しています。2万円台という高額商品にもかかわらず、累計で2000台以上売れています。「KoKa Shop!」として最大のベストセラー商品となりました。
2020年の小学校でのプログラミング必修化への備えとして、読者の関心が高まっていたのもよかったんでしょうね。


――― ヒット商品が育ち、順調に事業も成長していった感じでしょうか。