2023年はメディア業界にとってどのような一年になるでしょうか? Media Innovationに縁を持っていただいた皆様に、2022年の振り返りと、2023年に向けての展望を伺いました。

目次
今年の仕事を振り返ってみて、いかがでしたか
2022年は文化放送開局70周年に当たる年でした。
自身はラジオ局の編成という立場でもあり、また70周年記念企画実行委員会のメンバーでもあったため、70周年関連は自分の仕事の中でも大きなウェイトを占めました。2021年4月から「もっと過激に もっと優しく」という70周年キャンペーンキャッチの元、様々な企画や特番、キャンペーンなどを展開してきました。
3月31日の文化放送70歳の誕生日の70日前から「#きっかけはラジオ」キャンペーンを展開し、ラジオの価値の一つである「きっかけ」をテーマに様々なパーソナリティやリスナーのエピソードを募集しつつ発信しました。
また70周年記念イベントとして立て続けに『立川志の輔独演会』『乃木坂46の「の」presents「の」フェス』『海援隊・南こうせつ・さだまさし・グレープ セイ!シュンコンサート』と大型イベントを展開した他、開局記念日を挟む1週間は村上信五さん、田村淳さん、いとうあさこさんをスペシャルアンバサダーに迎え「開局70周年ウィーク」を展開し、過去の名物番組の復活企画や70時間特番などスペシャルな企画を展開しました。
一連の70周年企画を通じて、様々なリスナーの声、様々なパーソナリティの声を耳にするたび、改めてラジオの魅力やラジオの力、可能性を感じました。そして様々な人に支えられていることを改めて強く感じ、感謝の念を強くしました。そして「もっと過激に もっと優しく」という言葉通り、もっともっと果敢に大胆に、そして自由にチャレンジしなくてはならないし、もっともっとリスナーやお客様、ステークホルダーのことを考え、寄り添い、痒い所に手が届くような存在にならなくてはならない、と思いを新たにしました。
機動力があり、自由度が高く、またパーソナルなメディアであるラジオや音声はそれができる存在だと思います。
この一年、たくさんの出逢いに恵まれ、様々なお仕事をさせていただきました。改めて感謝です。
2022年のメディア業界で印象に残ったことを教えてください
音声業界にいるので、やはり気になるのは突っ走るSpotifyの動きです。
吉本興業の芸人が登場する音声コンテンツ「聴漫才」や叶姉妹などのオリジナルコンテンツ制作をはじめとして、テレビ局やラジオ局・音声メディアなど他メディアとコラボしてのコンテンツ獲得など、コンテンツ面での充実はもちろんのこと、広告売り上げの伸び、特にPodcastなど音楽以外の音声コンテンツによる売上増は注目に値します。
さらには、オーディオブックの作成・販売を手掛けるFindawayを買収し、オーディオブック市場に参入をしたことも大きなニュースでした。日本でもサービス開始されると、音声業界に与える影響も大きいと思います。
Spotifyの動きを注視しながら、今後の音声の可能性を色々と探りたいと思います。
2023年のメディア業界、ご自身の取り組みたい仕事について教えてください
ラジオ局という小さいながらも長い歴史を持つ音声メディアであるメリットを活かして様々な展開を仕掛けられたらと思います。
特にラジオは「場」としての力があり、人をひきつけ、居所となり、つなげる力がまだまだあると思っています。
より魅力的な音声コンテンツや新しい座組や仕掛けで斬新なコンテンツを生み出し、育てつつ、ラジオ局ならではの新しいビジネスを展開できればと思っています。
人の感情や内面や本質が表れ、人の心を動かせる音声メディアの力を世の中に改めて示せるような仕事ができたら、と思います。