朝日新聞社は、直営通販事業「朝日新聞モール」の運営を、グループ会社のライトアップショッピングクラブ(以下LUSC)に事業譲渡すると発表しました。運営の移管予定日は、3月31日です。
通販事業の移管は、シニア層を対象とした事業に強みを見出した上での戦略的な判断です。両社の顧客基盤がどちらもシニア層を中心としていることを踏まえ、朝日新聞社は2024年5月にLUSCの全株式を取得し、同社を朝日新聞グループにおける通販事業の中核企業と位置付けました。
今回の事業移管により、朝日新聞社がこれまで培ってきた通販事業のブランド力をLUSCに引き継ぎ、シニア層を中心に顧客の生活を彩る新商品やサービス開発に注力する方針です。
「朝日新聞SHOP」は、朝日新聞社が2014年に開設し、主催展覧会の図録やグッズに加えて、シニア世代向けの生活者のお悩み解決商品を取り揃えてきました。2022年には「朝日新聞モール」をオープンし、人気のお取り寄せグルメを提供する「ごちマル」も開始するなど、商品ラインナップを拡充してきました。
一方、LUSCは1971年にソニーグループのレコード通販会社として設立された企業です。国内外の選りすぐりの衣料品や雑貨、食品などを扱い、カタログやオンラインを通じて販売してきました。直営店舗も1983年から展開しており、作り手のこだわりや商品誕生までのストーリーを訴求し、顧客が長く愛用したくなる商品の提供をモットーとしています。
今回の事業移管により、両社の強みを活かしたシナジー効果が期待されます。朝日新聞社のブランド力とLUSCの商品開発力を組み合わせることで、シニア層のニーズに、これまで以上に的確に応える商品やサービスの提供が可能になると見込まれます。
通販市場は拡大を続けており、シニア層向けの情報提供と商品開発は重要な戦略の1つです。「朝日新聞モール」の事業は、LUSCのもとで、さらに魅力的な商品ラインナップの構築と顧客サービスの向上を実現していくことでしょう。シニア層市場での競争力強化戦略による今後の展開に注目が集まります。