Receptは、SNSやオンラインゲームにおける未成年者の利用制限や保護者の同意取得の課題に対応するため、DID(Decentralized Identifier、分散型ID)およびVC(Verifiable Credentials、検証可能な資格情報)技術を活用したシステムの検討を完了したと発表しました。今回検討したのは、「保護者からの同意情報」と「子どもの年齢確認」です。
SNSやオンラインゲームにおける有害情報や課金トラブルへの懸念の高まりから、近年は国際的にも利用者の年齢確認や保護者による管理が強く求められる風潮となっています。一方で、従来の年齢確認手段や親子関係の証明プロセスは、個人情報の提出や書面手続きなど、運営企業とユーザーの双方に負担が大きい点が課題です。
Receptが開発したシステムでは、DID/VC技術を用いることで、運営企業が取得する情報を最小限に抑えつつ、「年齢確認」や「保護者同意」を安全かつ確実に実施することを目指しています。独自開発の「VCホルダー向けSDK」を活用することで、オンラインゲームやSNSアプリなどに大規模な改修を行わなくとも、容易に年齢確認機能や保護者同意機能を導入できるのが特徴です。
さらに、Receptは「実社会における親子関係」あるいは「子どもに対して親権者と同等の法的権限を有する保護者等の関係」を、VCを用いてオンラインで証明する技術に関して特許を出願中です。本技術により、未成年ユーザーの年齢確認に加えて、適切に保護者の同意が得られているかを担保できる体制を構築します。
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Receptは、デジタルアイデンティティ管理のDID/VC技術に強みを持つ企業で、2023年に設立されました。今後、同社はSNS運営事業者やオンラインゲーム提供会社、規制当局など、様々なステークホルダーとの意見交換や連携を強化していく方針です。
また、今回の検討結果をもとに、実証実験や運用テストを重ねながら、最終的な機能や運用体制を整備していくとしています。なお、同社は、本取り組みに関心を寄せ、システム共同開発への参画を検討する機関からの問い合わせを、公式メールアドレス(contact@recept.co.jp)にて受け付けているとのことです。