GumGumが実施した消費者意識調査で、日本の消費者は、接しているコンテンツの文脈(コンテキスト)に沿った広告をより好む傾向が明らかになりました。個人データに依存した広告よりも、閲覧中のコンテンツに自然に馴染む広告の方が好まれる結果となっています。
調査は2024年10月25日から28日にかけて、日本の18歳以上の消費者1,000人を対象に行われました。その結果、広告配信における個人データ保護を「非常に重要」または「ある程度重要」と答えた人は合計81%と、8割に達しています。
広告への印象については、37%の回答者が「文脈性の高い広告により注意を払う」と回答。コンテキスト広告への信頼は大幅に高まっており、「個人データベースの広告よりも信頼できる」と回答した人は3倍以上でした。
一方で、従来のクッキーベースの広告に対する不満も高まっています。回答者の36.6%がクッキーに対して否定的な見方を示し、24.1%が「不快感を覚える」、12.5%が「消費者を尊重していない」と答えました。

GumGum Japanのマネージングディレクター、セルビー健三氏は「調査結果が示すのは日本の消費者がプライバシーを尊重し、文脈性の高いコンテンツを提供するブランドを好むようになってきたことです」とコメント。続けて、「オーディエンスとのエンゲージメントを高めるには、コンテキスト広告の活用が賢明」という見解を示しています。
また、「プライバシーに立ち入り過ぎている」と感じる広告への消費者の不安も大きいことがわかりました。私生活に詳し過ぎると思わせる広告が配信された場合、31.9%は「自分のデータをより厳重に保護する」、17.9%は「なぜ自分の情報をこれほど持っているのか、ブランドに疑念を持つ」と回答しています。
特に人間関係や健康など、デリケートなテーマでは、「押し付けがましい」、あるいは「迷惑」と感じる人が38.9%となっています。さらに、こうした広告を受け取った場合、「そのブランドのサービス利用をやめる可能性が高くなる」 が35.4% 、「非常に高くなる」 が23%となっており、広告により消費者が離れるリスクがあることが明らかになりました。
GumGum JAPAC ゼネラルマネージャーのNiall Hogan氏は「消費者はプライバシーを侵害しない広告を望んでいる」と述べ、コンテキスト広告の重要性を強調しています。
今回の調査結果は、消費者のプライバシー意識の高まりと、より自然で文脈に沿った広告体験への期待を示しています。個人データに依存せず、コンテンツの文脈を理解した広告戦略の重要性が一層高まっていると言えるでしょう。