運用型機械学習とパフォーマンス広告分野に強みを持つMolocoは、サーバーサイドタグ管理に取り組み、機密性の高いデータを高速かつ安全に収集、統合する顧客データインフラストラクチャ(CDI)を提供するMetaRouterとの提携を発表しました。
両社の提携により、オーストラリアおよびニュージーランドの小売業者やマーケットプレイスは、データプライバシーとセキュリティを確保しつつ、高度にパーソナライズされた顧客体験を提供できるようになります。
提携による利点として、 データプライバシーと同意ガバナンスの強化が挙げられます。MetaRouterのサーバーサイドアプローチとコンプライアンスツールにより、プライバシー規制に準拠し、顧客の同意に基づいて安全にデータを処理することが可能です。企業はデジタル資産からサードパーティタグを削除し、データ共有を制御できるようになります。
また、パーソナライゼーションの高度化が可能です。Molocoのリアルタイム広告最適化とMetaRouterの包括的なデータ収集を組み合わせることで、企業は自社プロパティ上および外部チャネルで、顧客それぞれに高い関連性を持つ魅力的な体験を提供できます。
さらに、両社の技術統合により、自社サイト内外で広告パフォーマンスと広告費用対効果(ROAS)の向上を実現します。特に外部サイトでのパーソナライズ機能は、ユーザーマッチ率を高め、データ仲介リスクや追加コストなしにウォールドガーデン環境へ直接配信できる独自のソリューションを提供します。
Molocoのオーストラリア・ニュージーランド市場担当シニアディレクター、ジェイソン・バッグ氏は、「当社の機械学習に関する知識と高性能なリテールメディアプラットフォームに、MetaRouterの革新的なデータ管理ソリューションを組み合わせることで、小売業者は顧客のプライバシーを保護しつつ、顧客とのより深い関係構築を支援します」と、述べています。
MetaRouter創業者のティム・ブランク氏は、「信頼と透明性を優先しつつ、データドリブンな顧客体験を創出し、業界の新たなスタンダードを築いていくことを楽しみにしています」とコメントしました。
米国カリフォルニア州に本社を置くMolocoの「Moloco Commerce Media」と、同国コロラド州を拠点とするMetaRouter社の「MetaRouter」は現在、オーストラリアとニュージーランドの小売業者とマーケットプレイス向けに提供されています。提携により、両国の企業は顧客のプライバシーを守りながら、より効果的なパーソナライズ広告を展開できるようになります。
今回の提携は、デジタル広告業界におけるプライバシー保護とパーソナライゼーションの両立という課題に対するものであり、今後も企業間での連携により解決を図る動きは続きそうです。